二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 飛んで、跳ねて、真っ直ぐに 【銀魂】   ( No.36 )
日時: 2011/10/09 20:38
名前: リリ ◆EPemxtc4xk (ID: F5B8s22.)
参照: working!!にというか小野D神谷さんにハマってしまった

第参訓【親がしゃべってる間って子供は大体暇】

「ほーれついたぞーう。」

三珠につれてこられたのは、小さなスナック。

看板に、『スナックお登勢』と書いてあるのだが、のれんが上がっていないところを見ると、どうやら昼間はやっていないようだ。

「ここ?」
「あー。今から話してくっから待ってろよー。」
三珠はそう言うと、戸をガラリと開け、中へ入って行った。

志真は待っている間暇なのか、懐から木でできた短剣を取り出し、ささくれているところを小刀でシャッ、シャッと切り落とし、手入れをし始めた。

そして、手入れがちょうど終わった時、三珠が店から出てきた。

「志真ー。下はダメだけど上はOKらしいから、これから上に行くぞー。」
よくみると、店の横に二階に上がることのできる階段があった。
二人は、階段を上がり、呼び鈴を1、2回押した。

「はーい。」
そしてがらがらと戸を引いて出てきたのは、眼鏡を掛けた冴えない青年だった。

「何のご用ですか?依頼だったら中で話聞きますけど……。」
「あー、そんなようなもんだから、とりあえず中、入れてくれるか?」
どうぞ、と案内をする青年の後に続き、三珠と志真は足を踏み入れた。


「銀さーん、依頼ですけどー。」

居間を見た志真は一瞬怯んだ。
何故なら、

「定春ー、ほーれほれご飯あるヨー。」
と呟きながら並はずれた大きさの犬に餌をやっている少女と、ジャンプを頭に載せソファに寝転がっている、とても大人とは思えない男がいたからだ。

「銀さんに神楽ちゃん、仕事ですよ、依頼です。あ、ここに座って下さい。」
青年は声をかけながらソファに二人を座らせた。

そして、ジャンプを頭にかけていた男が起き上がり、顔からジャンプがばさりと落ちた。

「るせぇなー…ったく、金にならねぇ依頼だったらどう……」
男の言葉が不意に途切れた。
視線はまっすぐ目の前の三珠に向けられている。

「え、ぎ、んとき……?」
「おまっ、三珠、か……?」
三珠も銀時と呼ばれた男も、冷や汗を流しながら互いに視線をそらさない。

そして、
「あれ、お前あの時の子じゃないアルか?」
と、チャイナ服の少女も志真を見た。

志真は記憶を探り、答えにたどり着く。

「あ、コンビニの子だ。」

ついさきほどコンビニでいつものおじさんの代わりをしていた少女だった。
そして、

「てめっ、三珠!!何でこんなとこにいやがんだコルァ!!」

「それはこっちのセリフだよバカ野郎!!私はお登勢さんから上の階なら志真を住まわせていいって言うから来ただけだっつーの!」

「はぁ!?てんめっ、自分のガキ人に押し付けて自分は男とランデブーってか!!そりゃねぇだろ三珠さんよぉ!!」

「違ぇよバカ!お前見た目だけじゃなくて頭ん中もくるくるパーか!昔とちっともかわんねぇな!」

再会した二人は何故か口喧嘩を始め、

「へぇ、神楽ちゃんかぁ!私は志真。山田志真って言うんだー。ヨロシク!」
「お前志真って言うアルか!あ、こっちは定春ネ!今度乗るアルか?」
「マジ、いいの!?乗る乗る!」

少女二人は仲良くガールズトークを始め、志真と三珠が来てわずか数分で万事屋の中は大変な騒ぎになるのであった。