二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 飛んで、跳ねて、真っ直ぐに 【銀魂】参訓UP! ( No.39 )
- 日時: 2011/10/10 17:31
- 名前: リリ ◆EPemxtc4xk (ID: F5B8s22.)
- 参照: working!!にというか小野D神谷さんにハマってしまった
第四訓【知らない人の中に一人って結構気まずい】
大喧嘩もひと段落し、ソファに向き合う形で座る5人。
「んで、お前はそのガキをここに置いてくと。そーいうことか?」
「そーだよ。私の仕事終わるまでなー。」
「期間はどのくらいなんですか?」
眼鏡をかけた青年—志村新八と言うらしいその青年は、もっともな疑問を投げかけた。
「んー、分からん。」
「はぁ?おまっ、ふざけんのも大概にしろよコルァ!!こちとらこいつらの他にあと二人も養ってんだよ!そんなん無理だろうがァ!!」
「別にその分銀ちゃんが内蔵売るなり金○売るなりして金稼げばいいジャン。私もっと志真と話したいアル。」
いきなりとんでもないことを口にするのはついさっき仲良くなったばかりの神楽だ。
「神楽ちゃァァァん!?何サラッととんでもねぇこと言ってんのォォォ!!大体、金のほとんどはお前とアイツの食費に消えてんの分かってんのかァァ!!」
「だあーって、おなか減るんだから仕方ないじゃんかー。」
すると玄関の方向から違う声が聞こえてきた。
「ただいま、銀。って言うか、何、その口のきき方!お客さんに失礼だよ!あと、麻衣がいない間に何やってるの?まさかとは思うけどその女の子と女の人は……。」
「違うわァァァァ!!別に何もやってねーよ!いや、やってないってそっちじゃなくて、マジで何もやってないからね、銀さんそんなにアレじゃないから!!」
「銀ちゃーん、ラーメンないのー?お腹すいて死にそうなんだけど……。」
「お前は黙ってろォォォ!!」
騒がしく姿を現したのは、金髪のどこかあどけない少女と、黒い髪の笑顔が特徴的な少女だった。
「おー、神亜お帰りィ。しっかり金取ってきたアルか?」
「んー、ばっちしー。これで今月の食費は安全だね!!」
にこりとこちらに微笑む金髪の少女。
「で、銀?この人たちは?」
「ええと、こっちが山田三珠さんで、こっちが娘さんの志真さんです。」
空気と化していた新八が再び口を開く。
「ありがと新。で、依頼は?」
「このガキを預かってほしいんだと。」
「銀、口が悪い。ええと、期間は……。」
「あー、私の仕事が終わるまで頼みたいんだけどさー、いいかー?」
「あ、手伝いとかはできるだけしますよ。」
志真は手を上げながら言った。
「……だって。銀、どうする?麻衣はいいと思うけどなー。」
「銀ちゃん、男ならバシッと決めるアル。」
「銀さん、ここまで言ってるんだし、いいんじゃないですか?」
「銀ちゃん、あたしもいいと思うけど。ラーメンくれるなら。」
『銀さん。』
そして銀さんと呼ばれた男は半ば自棄になったように叫んだ。
「だぁーっ!!わーったよ!預かりゃいいんだろ!」
「さんきゅー銀時ー。じゃ、私はもう行くわ。あ、金ここに置いとく。」
三珠は分厚い封筒を置くと、目にもとまらぬ速さで窓から出て行った。
「はやっ!」
「……えーと、じゃあ、よろしくお願いします。」
志真が静かになった万事屋の中で恐る恐る口を開く。
「こちらこそ! 麻衣は赤川麻衣! 困ったこと何でも言って!」
「あたしは神亜!ラーメンくれれば何でもするよー!」
「坂田銀時。銀さんとでも呼んでくれや。」
神楽と新八はさっき言ったので、口を開かなかった。
「山田志真です。よろしくお願いします。」
それを聞いた志真は、全員に深々と頭を下げ、数秒後に頭をあげた。
そして、しんみりとした空気をぶち壊すように、
「つーか、普通にしゃべっていいですか?なんかむず痒いんで。」
と、笑顔で、そして冷めた口調で呟いた。
『……どうぞ。』
その笑顔に何故か敬語になってしまう万事屋一行であった。