二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

中編その1.ミスから始まる出会い ( No.10 )
日時: 2011/09/25 09:01
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

さて、本日から執筆開始します。
ずっとやりたかった物ですッ!どうかよろしくお願いしまする☆




*最強姉弟と…?*

「そう簡単には見つからないか!」

黒い黒い者。それは空を飛んでいた。

その者の視界には1つのバスがあった。少しだけそれを見つめて、その者は立ち去った。



樹海。

むせ返る様な碧の匂い…体中に浸みこむ木々の香り。———そんな森で。

1人の男の子が、不思議なものを拾った。



瑠「魁渡〜、もうそろそろ出発するって!」

魁「え、ああ…」

魁渡は拾った不思議な物をじっと見ていた。

樹海で迷った所を雷門中のバスに乗せてもらえる事になった2人しかしタイヤがパンクしてしまい、直るまで野原で自己紹会をしていた。

魁渡がバスに行こうと立ち上がった所、近くの木の下にあった黒い何か。拾い上げると重たく、熱を帯びていた。

魁「瑠璃姉、これ何だと思う?」

瑠「?さあ…それよりもう行こ?皆さん、もうバスに乗りこんでます…」

魁「…そうだな!」

黒い何かを元あった所に投げる。と、ポチ、と小さな音がした。

魁渡が振り向けば、下にあった赤いスイッチが地面に当たっている。今の音はスイッチが押された音だった。

魁「え…」

ぐにゃり、と彼の視界が歪む。驚いて、思わず目を閉じる。

何か大きな流れに逆らっている感覚。頭の中に走る、痛みに似た気持ちの悪さ。

やがて何処かに投げ出され、ゆっくりと目を開けた。

ぼんやりとした緑。そして立っているという感覚。どんどん視界がクリアになって行くと、橙色の長い髪が映った。

そして聞こえる声。

瑠「魁渡〜、もうそろそろ出発するって!」


どういう事か認知したその瞬間、頭の中が真っ白になった。




瑠「タイム…ワープ??」

魁「ああ!本当だって!!すげーっ!!」

ふうん、と姉はその機械を見つめる。赤、青のスイッチと小さな液晶。0〜9まであるボタンとS,H,M,Yの4つのボタン。

魁「なあ!FFの試合、見に行ってみようぜ!!過去に戻れるんだ、それも出来るだろ!!!」

瑠「…大丈夫なのかな。」

へーきへーき、と魁渡はボタンを押す。Yって何だ??とかぶつぶつ言いながらも何とか出来たらしい。

しっかり掴まってろよ、と瑠璃花の服の袖を握り赤いボタンを押そうとした瞬間、叫び声が響く。

円「おーい!」

魁「っ!」

吃驚した魁渡が、青いボタンを押す。

円堂がバスの窓から身を乗り出して2人を見ていた。——青い光に包まれる、2人の姿を。






ぐるぐると廻って、大きな流れに逆らって…さっきより長い、と魁渡が心の中で思う。

そして何処かに投げ出され、目を開けると其処は……。


魁「どこ?」

瑠「分からないけど…。」


大きな大きな建物の目の前だった。

2人が呆然と立ち尽くしていると、その建物から出て来たのは1人の少年。利発そうな顔立ちと、朱色のバンダナ。

?「どうしたの、君達…」

魁「いや、ここ何処かな〜って。」

変なの、と言ってから少年は笑顔で言った。

?「ここはサッカーやる所!俺は毎日ここでサッカーやってるんだ!!」

瑠「名前、何ていうんですか?」

瑠璃花が尋ねると、少年はまた笑顔で言う。…2人は、何処かで見た事がある気がした。


「俺はカノン!円堂カノンだ!!」


*つづく*