二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

ハロウィン*魔女のイリュージョン ( No.116 )
日時: 2011/11/18 18:24
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

パーティーから再開!
文字数の関係上、セリフは詰めます。恋愛トーク多め。


夏未の挨拶で始まり、その後はケーキを食べたり話をしたりと随分にぎやかに過ぎていく。

鬼道は王子の仮装をさせられていた(メイドが似合いますとか言って強引に)が、仮装のパターンは色々あって見ていても楽しい。

瑠璃花は目を輝かせて、本当に楽しそうだった。魁渡がケーキを取って来るまで、食べ物の存在すら忘れていた程。

仮装パーティーは、今まで雷門サッカー部に関わって来た人がほぼ全員呼ばれている為、会場内には人が溢れかえっている。

例えば雷門サッカー部OB、稲妻KFCの子供たち、風丸の紹介で宮坂というメンツも。

そう、相当の権力者からそこら辺の女子中学生まで。

ラティア「何週間ぶりかしら。」←ティアラは保護者とお留守番。
愛姫「やほー☆」←実は瑠璃花の衣装の提供者
瑠「ラティアに蜜柑ちゃん???!!」

世界の経済を支えるラティア・クラリスと、ゴスロリ好きな中学生愛姫蜜柑。

ラティアは水色のワンピースに白いカーディガンを羽織って、シンプルにまとめている。

瑠璃花は納得した。仮装なんてラティアがするはず無い。

一方、蜜柑もいつもの恰好だった。つまりはゴスロリ。今日は明るめな小花柄の、ひざ丈ドレスでお茶会気分の様だ。

瑠「2人は仲良くなったの?」
愛「まさかラティア・クラリスとは思わなかったけど(笑)入口であったんだよ☆」
ラ「ゴシックロリータなんて初めて見たわ。…そう言えば、魁渡居ないのね。」

その言葉に、ハッとして辺りを見渡す。ついさっきまで隣に居たはずの魁渡が居なくなっていた。

瑠「センサーが働いたんだよ、きっと。」
ラ「それなら気が楽だわ。」
愛「?」

蜜柑には事情が分からないが、とりあえず魁渡はラティアが嫌い、という事は分かった様だ。




ラティアが居るという噂は瞬く間に広まった。

円「どこら辺に?!」
風「さっき宮坂が入口付近で見かけたって…」

海賊に仮装した風丸が、雷門イレブンに伝えた。

それぞれの仮装が賑やかなで話がはずむ中、円堂はまず「誰?」から始まる。

仮装が出来なかった円堂は、夏未に目と鼻にハサミで穴を開けたシーツをもらった。お化けにはなれる。

が、トレードマークのバンダナも髪も隠れてしまうのだ。


鬼道は、久し振りに会えるかもしれないラティアを捜す事にした。

カボチャを頭にかぶった少林の脇を抜け、ガイコツ模様のパーカーを着たメガネの前を通ると、余り耳に慣れない女子の声。

見ればロリータの少女。

鬼(…確か、ファイナル・ザ・カオスの監督をしていた…)
愛「瑠璃花ちゃん、クリスマスにはこれ着てね♪」

エンジェルスマイルで何かを勧めているらしい蜜柑。写真を手に持っているが、遠目には色が赤っぽい事しか分からない。

ただクリスマスに着て、ということからコスチュームか何かだという推測を立てる事が出来る。

瑠「えっ、え〜と…//」

勧められている瑠璃花は、ラティアに目線で助けを求めていた。

ラ「似合わないってことは無いと思うわ。」
愛「だよねっ!!!!」

鬼道は目的の人物を見つけて、声を掛けられる範囲まで近付こうと試みる。ついでに写真も良く見える様になった。

そして絶句する。

瑠「ラティア!!??」
鬼「なっ…//」
ラ「有人じゃない、捜す手間が省けたわ。」
鬼「否、その…この衣装は…」
愛「私の良く行くお店の新しいお洋服☆瑠璃花ちゃんゴスロリを避けてるから、こういうのなら着てくれるかな、って♪」

蜜柑の手にする写真。

“サンタコスチューム”と可愛らしい字で書かれた付せんが貼ってあり、映っているのは普段目にする事の無い衣装。

赤ずきんの様なフードが付いている赤を基調としたコスチュームには縁飾りに白いボンボンが付いている。

また別の写真には猫耳フードの赤いワンピース。長袖で生地もやわらかそう、そしてハートのダミーポケット。

吹雪「あれ、鬼道君どうしたの顔真っ赤だよ?」

と、偶然可愛いレベルの悪魔に仮装した吹雪が通りかかる。

愛「そこの君、彼女さんにいかがですか!?」
ラ「売上げアップ狙ってるのね…」
吹雪「え、こゆちゃんに?」
鬼「吹雪、彼女居たのか!!?」

良く彼女って言われるから、と綺麗な顔で吹雪が笑った。

因みにこゆちゃんとは、吹雪の幼馴染で白恋中サッカー部マネージャーの小雪の事である。(オリキャラです)

吹雪「鬼道君は瑠璃花ちゃんに?」
ラ「あら、有人と瑠璃花が付き合ってるなんて初耳よ。」
鬼「ちっ、違う!!//」
愛「え、彼氏がプリンスなら彼女はプリンセスの方が良いよね!ドレス着てね瑠璃花ちゃん☆」
瑠「私着ませんからっ!!」

全力で全てを否定しその場を抜けた瑠璃花は、会場の外へ逃げたのだった。


愛「見てみたいなぁ…瑠璃花ちゃんのサンタさん。」
ラ「今日の魔女も似合ってたわね。」
愛「ナイスだったでしょっ!私セレクトだもん☆所で君達、2人共彼女居ないの?」
吹雪「彼女とか考えたこと無いからね。」
鬼「瑠璃花は一応義理の妹なんだが…」
ラ「クラリス家で引き取ったらありなのね?」
鬼「!!?///」

ラティアの言葉に、顔を赤くした鬼道でした。



逃げた瑠璃花の後を追って庭に出た俺は、カボチャランタンの明りの中に彼女を見つけた。

瑠「…鬼道さん。」

元気の無い声に、どうしたんだと返すと。

瑠「鬼道さんは、私にああいう服を着てほしいですか?」
鬼「???!!///」
瑠「だってあんなクリスマスのなんて見たこと無くて、しかも…何と言うかゴスロリとは違う感じがしてて、私が着ちゃいけないって雰囲気が凄いんです!皆さんは着てみてって言いますけど…」
鬼「べ、別に無理して着なくても…///」

皆は見てみたい、と言ってるが。…本音を言えば、俺だって見てみたい。…何て言えるわけ無く。

急に黙った俺のことを不審がってか、瑠璃花が近付いて来た。右手には魔女のステッキと称した、星が付いたステッキ。

瑠「…言えない事ですか?」
鬼「……///」

暗いから、きっと顔が赤くなったって分からないだろう。

瑠「じゃあ魔法をかけましょうか!」

満面の笑みでそう言う瑠璃花の顔を見て、何かが切れた音がした……気がする。無邪気にステッキを振ろうとする彼女に、俺は普段ならあり得ない事を言ってしまったのだから。

彼女は驚いた顔をして、それから苦笑の混じった笑みでこたえた。


瑠「鬼道さんが言うのなら。」



*それは、ハロウィン限定の魔女がかけた、笑顔という名のイリュージョン*
〈鬼道さんに見たいって言われたら、断れる訳無いです、〉

〈瑠璃姉とはぐれたぁぁ!!!〉