二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 中編その1.異変 ( No.14 )
- 日時: 2011/09/25 20:35
- 名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)
*最強姉弟とカノン*
2人は驚いて身を固まらせた。
笑顔で名前を名乗った少年は、2人の反応に気付き顔をしかめる。どうかした?、と不安そうに魁渡の顔を覗き込んだ。
魁「いや…えっと、円堂って…」
瑠(円堂さんに兄弟は居ないはずで…あ。)
瑠璃花たちは、円堂=円堂守と思う。しかし、タイムトリップの機械でこの場に来たのだから現代では無い可能性が高かった。
現に目の前の大きな建物は、異様にキラキラときれいだった。清潔感が漂う体育館の様な…この類は今まで見た事が無かった。
カノン君、と彼の名前を呼ぶ。確信を抱いていた。声が上ずる。
瑠「今、西暦何年だっけ…?」
カ「?」
当たり前でしょ、という感じで彼は答えた。
その西暦は、瑠璃花達が生きていた時代の80年後であった……。
魁「…で、キラード博士って人に呼ばれたのか。」
驚いてフリーズしたが、何とか2人はこの時代の住民を装い仲良くなる事に成功した。
機械はさっきこの時代に来た時に故障したのか、当分動きそうにない。
それを考えると、博士と知り合いと言うこの少年カノンは2人にとって神と同類の存在だった。
カノンはキラード博士に呼ばれていて、その為にサッカーの練習を早々に切り上げたらしい。
魁(キラード博士…?何処かで聞き覚えが…)
瑠「私、キラード博士って人に会ってみたいんです!一緒に行っても良いですか?」
カ「勿論!」
にか、と笑ってカノンは返事をした。やっぱり円堂守に似ている、と瑠璃花達は心の中で呟いた。
気に囲まれたその場所は、カノンが秘密基地と呼んでいるのにも納得だった。
カ「此処が研究所!」
まるで自分の家の様に紹介するカノンは、ドアを開けた。
目の前に飛び込んで来た風景に、瑠璃花と魁渡は目を見開いた。似たような風景を、かつて2人は見た事があったからだ。
カ「博士!どうしちゃったの?」
唖然として一言も話せない2人をリードする様に、ごみ溜めなのか研究機材置き場なのか分からない廊下をカノンはゆっくり歩いて行く。
彼に習い、2人もその物体等を踏まない様慎重に歩いた。そしてその先にあった部屋に居た人物——。
エルゼス・キラード博士。
キラード「大変な事が起きているんですよ!」
カ「はいはい、まずは掃除しましょうよ。」
伸び放題の金髪にメガネ、甲高い声にハイテンションな、おじさんの様な男性。
ああ、と魁渡は確信した。ちらりと横の姉を見れば、同じ様に確信した表情をしていた。
瑠「ファイリア・キラード…。」
カ・キ「?!」
ぼそり、と呟いたとある人物の名。
キラードが驚いて瑠璃花を見た。真っ直ぐに、彼女は見つめ返す。
キ「カノン、あの子たちは一体…」
カ「友達になったんです!えっと、名前…。」
魁「流星瑠璃花と流星魁渡。——ファイリア・キラードは俺達の母さんの大学の講師兼研究者だった。」
キ「桜花、でしたっけ…」
カ「知ってるの???!」
カノンは瑠璃花達とキラード博士を代わる代わる見て、頭を抱えた。
カ「どうなってるんだぁぁぁぁ????!!!!!!!」