二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

中編その1.王牙学園 ( No.25 )
日時: 2011/09/27 02:38
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

長くなりそう…。中編じゃ無くて長編かも(・・;)


*最強姉弟とヒビキ提督*

カ「…誰それ。」

キ「国の偉い人です。」

ヒビキ提督、の言葉にカノンは聞き覚えが無いらしく首を傾げ、魁渡と瑠璃花は顔を見合わせた。響木さんの子孫だろうか。

瑠「誰か分かったなら、何とかなりそうですね!」

キ「…それが、そう簡単には調べられないのです…」

魁「相手が動くのを待つしかない感じだな。」

カ「そんな!」

相手の気分次第、それは物凄く悔しかった。キラードがある作戦を立てた。

外部から入れないのなら、内部だ、と。

キ「王牙学園に潜入出来れば…」

魁・瑠「王牙学園?」

カ「!」

ヒビキ提督が作った、国のための学校。年齢は中学生に当たり、軍隊の指導より以前に国を担う為の勉強を子供にたたき込む所だ。

社会に出た時の生徒の評価は高かった。

キ「しかし試験が難しいし国のセキュリティも高くて…」

魁渡の視線が瑠璃花に向けられた。それはまるで責め立てるかのような…

瑠「わ、私に行けって…?」

魁「年齢的に俺はダメだし、どうやらカノンもダメみたいだし。残る成績優秀で中学生年齢は?」

瑠璃花が言葉に詰まった。

キラード博士は「よろしくお願いします!」と強引に瑠璃花が王牙に潜入すると決めつけ、名前変えないといけませんね!等と言っている。

キ「カノン君には過去に行ってもらいますからね!魁渡君は私とパソコンワークです!!!」

カ「過去に…!」

魁「2人共がんばれ〜」

瑠「お前もな。」(鋭い




瑠(う〜ん…ここ、何処?!)

方向音痴が災いし、瑠璃花は王牙学園の校舎内で迷ってしまった。試験を受けた後、トイレに立ったのが失敗だった。

きょろきょろと辺りを見渡し、見た事がある扉の様な気がする扉を開けてみた。

——瞬間、聞こえたのはボールが壁に叩きつけられた音と……破裂する音だった。




瑠「…!」

体が固まる。

それは余りに突然過ぎた出来事であるという事が原因。ボールが破裂するのは、彼女の周りで決して珍しいことではない。

もう1つあった。…そのボールを蹴った人の冷たい目と、自分の目があってしまったからだ。

?「…お前は?」

?2「見た事無いな。」

瑠「えっ…あの、えーと…」

?3「鍵は閉めておかないとダメだろ!他の生徒には話してはいけない話なんだろ?!」

瑠(・・・え??!)

どうしよう、と彼女は考えた末、自分はその話を聞いていないと、この部屋を出ようとも考えた。

しかし、ヒビキ提督が過去に介入する時、この3人の生徒達が関わっていて、その話が機密事項なら…。

話してはいけない話は、自分が求めている事かも知れない。

瑠(…!)

?「名前を聞いている。答えろ。」

赤い目。額に刻まれた紋章は、鬼だろうか。ボールを蹴った本人だ。

?2「女の子にそんな聞き方したら、怖がって返事できないんじゃないかな。」

三つ編みの女の子らしい外見の少年…に瑠璃花は見えた。きっと冷酷な一面も持っているんだろうな、とも思う。

?3「本気で見覚えが無いな。何の用だ?」

野生的過ぎる、と心の中で彼女は呟く。魁渡のそれをはるかに上回っている様に思えた。

瑠璃花が口を開く。名前を聞かれているらしい、ならば昨日付けたカタカナ名で答えないと。

瑠「私、はっ…」




バダップの蹴ったボールが、壁に叩きつけられて破裂した。

ここに来た時、サッカーボールを見て何をするつもりかと思ったら戦闘だ、と返ってきた。

それにしてもボールを破裂させるとは…簡単に破裂はしないはずなのに大したものだ。…いや、流石、と言うべきかな。

と、ボールのすぐ横の扉から見えた顔。…女の子。

?「…!」

固まってる…まああのボールの横にいたらそうなるのも納得だけど。

バダップ「…お前は?」

静かに尋ねた。女の子はまだ戸惑っている。

ミストレ「見た事無いな。」

俺がそう言うと、隣のエスカバも軽く相槌を打った。

?「えっ…あの、えーと…」

…混乱してる^^;

その女の子は何処かの学校のジャージを着ていた。なんだか失礼な言い方になるけど、それだけだと古臭い。

橙色の髪は、左右でお団子にしてある。白いリボンが付いていた。

ジャージだけ見ると古臭いけど、何だかこの恰好があってる気がする。普通に可愛いと思う。

随分時間が経って、ようやく名前を言う気になったらしい彼女。

?「私、はっ……」


少し強い光が宿った瞳。

何かの決意を思わせるそれは、強く印象に残った。




「ラピス・フォルールです…」




*つづく*
とうとう王牙に潜入!!!