二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

中編その1.秘密 ( No.49 )
日時: 2011/10/02 13:17
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

*最強姉弟とミッション*


ラ「ミッション…?」

首を傾げる。何の事か当然の如く分からないラピスの正常な反応だ。

バ「担当者には俺から伝えておく。明日、連絡が行くだろうから。」

エ「ちょっと待て!コイツ女だぞ!?」

エスカバが言うと、性別は関係ない、とバダップが静かに言い返した。納得できない様な視線でエスカバが彼女を見る。

話を聞けば、そのミッションは極秘事項で生徒には決して漏らしてはいけないらしくラピスが聞いたと疑われた話はその事だった。

エ「俺とミストレはそのメンバーになったんだ。」

ラ「ミストレ…」

ラピスがミストレを見た。そこで彼は自己紹介がまだだった事に気付く。

ミ「俺はミストレーネ・カルス。」

ラ「?ミネストロ(ミ「それ禁句だから★」

エ「エスカ・バメルだ。」

バ「…バダップ・スリード、このミッションの隊長を務める。」

ラ「エスバカさん?」

エ「!?」

ラ「…バオップ?」

バ「何故そうなる。」

魁渡がDSの画面に向かって言っていたからです。

とりあえず全員の名前をちゃんと覚えてその場はお開きとなった。




王牙学園は寮制だった。

方向音痴であの場に行ってしまった事を話し、寮が近いミストレが送る事になった。

あの2人だったら寮が近くても送らなそうだ。

ミ「俺の名前覚えた?」

ラ「ミストレさん!」

ミ(…こんな性格で何で王牙学園なんかに…)

真っ直ぐな後輩。志望理由は何なのか後でバダップに調べてもらおう、と思っていると寮に着いた。

寮は個人部屋、しかもホテルの一室様な作りになっている。傍から見ればマンションだ。

ラ「すごい…」

ミ「俺の部屋隣だから。」

近、と心の中で突っ込みながら彼を見送り、部屋のソファーに腰を下ろした。

ラ(1人だけって寂しいな…)

いつも隣には魁渡が居て、少し歩けば両親が居た。

手伝わないと一生樹海で迷う事になると分かっていても、少し辛かった。頭の中で何かする事を探す。

そしてキラード博士への報告を思い出し、部屋に届いていた小さな荷物の中からインカムを取り出した。

インカムを操作してウィンドウを出す。キラード博士の番号を押して通信しようとして、ドアがノックされた。

慌ててインカムをしまい、ドアを開ける。すると、居たのはお隣さん。

ラ「ミストレさん!」

ミ「さっき言い忘れた事があって。……サッカーの習得がミッションの第一段階だから、調べておいて。」

サッカー。

ラ(サッカー??!)

此処まで来てもその単語が出てくるのか、とある意味感心した。と、不可解な言葉をミストレが紡いだ。

ミ「サッカーはこの国の事を考えている王牙の生徒には忌むべき存在だけど、毒を以て毒を制す…ってね。よろしく。」

ガチャ、とドアが閉められた。

忌むべき存在であるとミストレは言った。ラピスは暫くドアの前で考え込んだが、分かる訳が無く。

ラ「サッカーはもう習得してる…よね、うん報告しよう…」

インカムを取り出して、キラード博士の番号を押した。可愛らしい効果音と共にウィンドウの中にキラードが映る。

キ「瑠璃花さん!報告待ってましたよ〜!!」

はっきり瑠璃花と言って大丈夫なのだろうか、ラピスは少し不安に思った。

キ「今日あった事をすべて報告して下さい!」




・試験後迷った
・ボールを近くで破裂させられた
・提督の所に連れて行かれそうになった
・データを取ると言われた
・入学が確定した
・戦闘をさせられた→なんとか死なずに済んだ
・何かのミッションのメンバーになった
・スープみたいな名前の人とバカが名前に入る人と魁渡が言っていた名前の人と友達(?)になった
・寮が思っていたより豪華だった
・サッカーは忌むべき物だけどミッションの為に習得しておいて、と言われた

キ「苦労しましたね。」

ラ「そうでもないです。」

キ「取りあえず潜入できた訳ですね。」

はい、と言うと急にホッとした。肩の力が抜けたような感覚。緊張していたんだと悟る。

キ「ミッションとは…どんな物か知らされていないんですね。」

ラ「でも他の生徒には秘密らしくて…」

しばらくの沈黙の後、キラードは「明日も報告よろしくお願いします」と言って通信を切った。

ミッションの事を言われると、彼女は抜けた肩の力が再び入る思いだった。




キ「瑠璃花さんが王牙に無事潜入しました!」

その報告は直ぐに入った。

カノンと魁渡は、雷門中にて観察していた。帝国学園との練習試合が決まった頃で、円堂は部員集めに走っている。

カ「それでヒビキ提督の事、何か分かりましたか!?」

カノンが尋ねると、キラーそは噂ですが、と前置きして話す。

キ「実は君達の知らない所でサッカーを嫌う一派の動きがあり、地下活動をしていると噂があるんです。どうやらその黒幕がヒビキ提督ではないかと…」

魁「サッカーを嫌う?」

2人が顔を見合わせた。どちらもサッカーが好きだったから信じられなかった。

と、「君たち!」と明るい声が2人の背後からした。反射的にカノンが通信を切り振り向く。


———そこに居たのは、木のプラカードで部員集めに走る、円堂守だった。