二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫〜櫻が舞うころ〜 ( No.100 )
- 日時: 2011/10/02 17:40
- 名前: ★HITOMI★ (ID: H6c/o5GF)
第十四話
「櫻姫、おかえり。」
と、リクオが現れた。
「ただいま。」
「今日はどうだった?」
「・・・・別に、なにもなかった。」
うそは苦手だ。つい、微妙に顔に出てしまう。リクオは私を探るように私を見た。一瞬その視線をとらえ、私はほかに気をとられたふりをして、目をそらした。
「風呂入ってくる。」
と、言って、私はその場を後にした。
「はあ、全然眠れなかった・・・・。」
次の朝、私は寝不足だった。だって、あの人のことを考えていたから・・・・。
「おはよう・・・・。」
「おはようございます! お嬢!」
私は制服に着がえて、朝ごはんを食べに行った。
「おはよう。」
「おはよう、櫻姫。」
「おはよう。」
と、お兄ちゃん、お母さん、おじいちゃんが言った。
「おはよう、お兄ちゃん、お母さん、おじいちゃん。」
それからはけっこう大変だった。私はあの人のことばかり考えていたのと、寝不足なので、へまばかりをしていた。ご飯に味噌汁をぶっかけたり、はしじゃなくて、えんぴつをにぎってたり・・・・。
「お嬢、だいじょうぶですか?」
「無理はなさらないほうが・・・・。」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ・・・・。いってきまーす・・・・。」
と、力なく答えると、私たちは学校へ向かった。休み時間、清継さんが、
「ねえ、みんな。知ってるかい? 『扇女』って妖怪を。」
「えー知らない。」
「知るわけないじゃん。」
お兄ちゃんは小声で及川さんに、
「氷麗、知ってる?」
「詳しくは知りませんが・・・・中国地方の妖怪ということだけ。」
「櫻姫は?」
お兄ちゃんは、私にも聞いてきたので、
「私も・・・・知らない。」
と、答えた。うそ。本当は知ってる。ごめんなさい、お兄ちゃん。扇女。扇で風をあやつる妖怪。ここまではムチとほとんどいっしょ。だけど、扇女にはまだ秘密があって—。
「風をあやつり、攻撃する妖怪なんだ! 今度はこの妖怪について調べる!」
「ふ〜ん、あっそ。」
「扇女は人の苦しみをえさとするんだ! で、今度の土曜日—。」
「い、いけません!!」
私は思わず大声を上げていた。あ、いけない。しまった。
「あ、あの、そんな危険な妖怪を調べてだいじょうぶなんですか?」
「ゆらくんがいるからね!」
「そ、そうですか・・・・。」
扇女か・・・・。ほんとにだいじょうぶかな・・・・? 放課後、私はげた箱で、くつをはきかえようとすると、
「あれ?」
四つ折にしてある、白い紙切れがあった。
「なんだろ・・・・。」
開いてみると、そこには・・・・。
「!!!」