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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫〜櫻が舞うころ〜 ( No.129 )
- 日時: 2011/10/06 07:36
- 名前: ★HITOMI★ (ID: H6c/o5GF)
第十八話
「櫻姫、お前の過去になにがあった?」
「えっ・・・・。」
そんなこと聞かれたって・・・・。答えられるはずがない! それに、聞いたとしても苦しむのはおじいちゃんじゃない! 私は口を固く結んだ。
「櫻姫。」
「・・・・私は絶対に言わない。」
おじいちゃんを見つめた。
「私は人を苦しめるようなことはしない!」
「・・・・ワシは家族だから聞いてるんだ。」
その言葉に私は顔をゆがめた。
「家族として知らなきゃならねえことなんだ。」
—『家族』—その言葉は私が大好きな言葉。大好きで—いつもあこがれてた。
「・・・・これはおじいちゃんだけじゃなく、私も苦しめることなの。」
私はゆっくり、ゆっくりと語りだした。とちゅうからは涙があふれだしてきて、最後のほうには大声で泣いてしまった。
「・・・・灰火は殺されたのか—。」
「えっ。」
私にはおじいちゃんが発する『灰火』という言葉に、親しみがこめられているように感じた。
「おじいちゃん、は、灰火のことを知ってるの?」
「ああ・・・・、長い付き合いじゃからの・・・・。最後にあったのは、二百年まえかの。そうか灰火がお前を育てたのか。そうか・・・・。」
すると、おじいちゃんは立ち上がって、
「話してくれてありがとうの。」
と、言って、部屋を出て行ってしまった。私の心は少し罪悪感があった。実は、美虎のことを話してないの。昨日の出来事も・・・・。でも、これだけは巻き込むわけにはいかない。絶対に。灰火にたいしてつぐないをしなくちゃいけないのは私だし、美虎のことも私の問題。だれかが私のために傷つく必要なんてないから—。
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