二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

バダエリ 〆 002. ( No.10 )
日時: 2011/09/30 16:34
名前: 兎子 ◆.UAIP8bSDA (ID: VTUqeMcj)


 雨は、止まない。
 少年の銀色の髪の毛先からぽた、ぽたと雫が落ちる。濃色の軍服がじっとりと濡れる。少年は、地面へと視線を向けたまま微動だにしない。淡々とした瞳に、何の感情も映さず、少年はただ地面を見詰めた。
 散らばる濃緑色、赤色に染まる地面、閉じられたままの瞳。
 少年は、漸く動く。そっと"彼女"の傍に跪き、微動だにしない"彼女"の手を取り、その甲に口付けを落とした。"彼女"は、その瞳を開けない。

「エリスレーラ・カルス」

 少年が呟いた。
 "彼女"——エリスレーラ・カルスは撃たれて死んだのだ。少年の目の前で。少年を庇って。まだ、18という若さで。
 少年は、悔やむような表情も、悲しそうな表情もせず、淡々とした口調で言葉を紡ぐ。

「……嗚呼、」

 雨は、止まない。
 乾いた銃声が、耳孔を侵食したまま少年はその瞳から涙を零した。一度きり、そう言い聞かせて小さく泣く。少年は、エリスレーラの頬に触れる。冷たい頬に、少年は再びその表情を淡々とさせる。
 エリスレーラは何も言わない。

「、姉さん」

 彼女の弟が来る頃には、少年の意識は落ちていた。



 〆 銃声と




バダエリ。
きっとバダップも傷ついてるだろうと思い最終的に彼も意識失くしてます。
年齢設定は高校生、エリスが18歳でバダップが17歳的な、

09/20-兎子〆