二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- れんしゅう、 〆 001. ( No.13 )
- 日時: 2011/10/07 20:32
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: 3vsaYrdE)
ぎゅう、と抱き着くように少年の首へ回された——否、掛けられた手にギリギリと力が籠められる。それと同時に、ぎゅう、と少女の首に巻きつけられた赤い糸が白肌に食い込んだ。ぱっと見、抱き合っているようにしか見えない二人の少年少女は"同時に死ねる方法"を考え考え、こうすることで死ねるんじゃないか、という答えに辿り着いたのである。
どちらとも綺麗な淡い桃色の髪をしており、少女のような外見を持つ少年も、少女も楽しげな笑みを浮かべている。少年の透き通るような青い瞳に、少女の笑みが映り込む。クスクス、という笑い声が聞こえてきそうな光景も、真実を知れば皆嘘になるのだが。
少女は少年の首に手を掛け、ぎりぎりと力を込めており、少年は少女の首へ赤い糸を巻きつけ、ぎゅう、と引っ張っているのだ。どちらとも酸素が上手く入らず、時折コホ、という咳のようなものが聞こえてくるが苦しげな素振りは一切見えず、どちらも狂気的な、それでいて妖艶な笑みを浮かべている。
「——霧野、」
二人の殺し合いが終わり、ようやく解放された喉からひゅう、という呼吸音が聞こえる。霧野、と呼ばれた少年はその口元を緩め、ゆっくりと笑みを刻んでは少女に笑いかけた。楽しかったな、とでも言うかのような霧野の笑みにも少女は笑んで対応する。その行為が当たり前だとでも言うかのように。
痛々しい跡のつく両方の首を見、少女は呟いた。
「また倉間くんに怒られる、」
「——迷子は倉間が本当に好きだな。いや、倉間が迷子のことを本当に愛しているのか、」
迷子、と呼ばれた少女はやんわりと笑みを浮かべた。違うよ、二人とも相思相愛なんだ——と、幸せそうなふんわりとした笑みを浮かべながら言う。先程まで"殺し合い"をやっていた少女とは思えぬ幸せそうな笑顔に、霧野は溜息を吐いた。
どれだけ彼女を想ってもあいつには敵わないのかもしれないなあ、と。
「、迷子は、どうして死にたいんだよ」
その問いかけに返答は無かった。
〆 理由なんて要らない、
◇
人を愛することには。
霧迷。迷子はオリキャラです、
その内本格的に倉迷書くよ(
10/07-兎子〆