二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 その他 〆 001. ( No.19 )
日時: 2011/10/14 18:51
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: HbGGbHNh)


「ねえねえ、水遊びしようよ!」
『っは、?』

 唐突にそう言った彼女に、その場にいた4人全員が間抜けな声を漏らした。
 ぐいぐい、と俺の服の裾を引っ張りながら「駄目?」なんて小首を傾げている彼女に困惑したように眉を寄せた。駄目って、駄目ってことは無いが、いきなり水遊びなんて言われても。
 星降はクスッと笑って「良いんじゃね?」なんて言っている。彼女の言うことにはやっぱり勝てないのだろうか。西野空も西野空で「良いよぉ、どーせ暇だしぃ、」なんてがしがしと頭を掻きながらへにゃりと口元を緩めた。
 俺と隼総は顔を見合わせ、小さく噴き出した。

「嗚呼……、しようか」

 にっこりと笑みを浮かべると、彼女は嬉しそうにケラケラ笑った。



 俺達の学校の近くには浅くて大きな川がある。鮭が放流されたり等、そこそこ休日も平日も賑わっている川である。浅い支流と深い支流に別れており、浅い方は俺達の平均を170と考えると、太腿より少し下辺りまでしかない。簡単に言えば膝のやや上、ということだ。
 夏になると、小学生がやってきてはキャイキャイと遊んでいる光景をよく見かける。中学生になった今では少ないものの、俺達も小学生の頃はああやって川でバシャバシャと遊んでいたものだ。ずぶ濡れになって怒られたりもしたっけか。
 誘った張本人である凪は楽しそうに笑みを浮かべ、「早くー!」なんて手を振っているし、西野空は早速彼女と遊んでるし、星降はクスクスと穏やかな笑みを漏らしながら「キャプテンも早く来いよ、」なんてスタスタ行ってしまうし、ほんの少しだけ、楽しくなった。

「なあ喜多……、」
「、ん?」
「……俺もさ、昔、こういうコトしたんだよなァ」

 隼総は小さく笑い、そのまま向こうへ行ってしまった。
 フィフスセクターだったが、今は大事な仲間である隼総はよく分からない。クール、というか何というか。

「キャプテーンっ!」

 のろのろと歩いていると、彼女の元気な声が聞こえ、バシャンという音と共に小さな衝撃と、冷たくなった。1秒間をおいて漸く水を掛けられた、ということを理解した俺はむぐ、と小さく唇を引き締め川へザブザブ入っていく。
 キャーッ、と楽しげな声を漏らす凪と、星降と西野空がギャイギャイとバトルを繰り広げている様子と、隼総がケラケラ笑いながら凪へ水を掛けている様子が見える。嗚呼、楽しそうだなあ、と考える前に何時の間にか俺の前へ移動していた凪が俺の手を引いて笑った。

「一緒に隼総を倒そう!」

 ふにゃりと笑みを浮かべる凪に「何を言ってるんだ? 俺は君に仕返しをするつもりなんだが、」なんて冗談交じりの言葉を返せば凪はきゃあ、と叫んで隼総の後ろに隠れる、も、隼総は其れを見切ったかのようにくつ、と笑い声を漏らしサッと退く。
 西野空と星降が楽しそうに「全員で凪を倒そうかぁ」「嗚呼、そうだな」なんて会話を繰り広げていると凪がムムッと唇を結んで此方を真正面から睨んできたから、面白くて。

「嗚呼……、覚悟しろよ」

 隼総がそう言った瞬間、俺達のバトルは開始された。



ぱしゃん、




天河原楽しそうなことやってるね! でももう秋だよ!←
喜多くん格好良いです天河原の4人好きだよ。

10/14-兎子〆