PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- マサ迷 〆 001. ( No.27 )
- 日時: 2011/10/16 10:40
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: CrVsa58M)
先輩、と。
オレはゆっくりと彼女の名前を呼んでみた。でも、彼女は何も言わず軽く笑み、返答すらもしてはくれなかった。其れが余計に苛立って、ぎり、と小さく唇を噛み締めた。
霧野先輩に見せる暗い表情でも、倉間先輩に見せる明るい表情でも、何でも良いから。オレにも、何か表情を見せて欲しいのに、彼女はオレの前——ううん、霧野先輩や倉間先輩、南沢とかいう先輩以外には表情を何も見せないのだ。監督の前では少しだけ見えるが、オレや天馬君といった人物にはいつも通りの笑みを張り付けのだ。
オレはそんな先輩が、憎くて仕方が無かった。
皆に嫌われない程度に彼女は笑うのだ。笑みを張り付けて、皆に嫌われないように。彼女は結局サッカー部の人間が好きなのだろう。でも、オレのことはきっと微塵も思っては無い。
彼女の頭の中にあるのは霧野先輩や倉間先輩への複雑な思いだけ。
「先輩、——どうして笑ってくれないんですか」
先輩の服の裾を握り、引き留めてみる。
軽く驚いたような表情を浮かべ、先輩は穏やかな笑みを見せた。嗚呼、これもどうせ——……。
「笑う必要なんて無いから、かな」
先輩はふふ、と歪んだような笑い声を漏らしてオレの手をやんわりと解いた。そしてもう一言、付け加えるように言うのだ。まるでオレ達を拒絶するような一言を無邪気な笑みのまま。「別に、好かれたい人じゃないからね」と。
じゃあ、先輩が好きなオレはただのバカだってことになる。
大キライだ、先輩なんて。————霧野先輩よりもな。
「大っ嫌いです先輩なんか」
「ン……、私は霧野と一緒に死ねればそれで良いや」
◇
大丈夫か狩屋ry
ヤンデレ風味なのは迷子ですかそうですk。
10/16-兎子〆
PR