二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 練習 〆 005 ( No.29 )
日時: 2011/10/20 20:46
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: CrVsa58M)


「……ねえ、」
「どうかしたのかい?」
「あんまりオレの顔が美しいからって、見つめないでくれるかな」

ピキリ。
亜風炉照美——アフロディの中で何かが割れる音がする。
アフロディの目の前で其れは綺麗な笑みを浮かべているミストレーネ・カルス——通称ミストレにアフロディは綺麗な綺麗な笑みを返してみせた。

「見つめてなんか無いよ」

ボクより美しいものは無いからね。
自信満々に放たれた一言がミストレの端整な顔を歪ませる。
怒気を込め、ミストレはアフロディへ最悪の一言を放った。

「——ナルシストって、嫌われるよ」

ビキッ。
確実に二人の間に裂け目が入る。
アフロディは金糸を振り払うと、ミストレへ黒く冷笑を浮かべる。其れを宣戦布告と受け取ったミストレが軽く口許を歪め、受けて立つとでも言うようにアフロディとまっすぐ正面から見据え睨みつけた。
最も、ナルシスト、というのはアフロディだけのことではない。ミストレ本人もナルシストの部類に入るのだが、本人もアフロディもそれに気づいては居ない為バチバチと間に火花を散らせている。

「ボクのことを馬鹿にしたね? ——許さないよ」

ゆっくりと冷笑を消し去り、完全な冷たい視線をミストレへと向け——アフロディはその端整な顔に蹴りを叩きこんだ。

「ぐ、」

間一髪で数歩下がったミストレの鼻には蹴りを入れられたときに付けられたであろう一筋の赤い線が走っており、端整な顔がぐしゃりと歪む。
ミストレは其れで何もかもが切れてしまったのか、彼を押さえつける糸は引き裂け、アフロディめがけて走り出す。
今度はミストレが復讐する番だった。アフロディ目掛けて放たれたのは蹴り、では無く拳——所謂パンチ、だ。
その表情がゆがめられると同時にミストレの繰り出した拳は見事アフロディの頬を掠め、同じようにアフロディの頬も赤い線が迸る。其れにより二人の闘争心はあからさまに上がったようで、二人は其れからもバトルを続けることになった。





ナルシス同士がぶつかり合うとこうなる。

10/20-兎子〆