二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Episode/001. ( No.2 )
- 日時: 2011/11/09 10:45
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: YJqsGTFd)
- 参照: ht@t@p:@//n@ano@s.@j@p/y@m@rn@252@9/
日本代表——イナズマジャパン。
アジア予選の数々の危機を潜り抜け、ライオコットにて開かれる世界大会へと上り詰めてきたチーム。
少女は、その口元を緩ませた。ふんわりとしたミルクブラウンの髪、瞳はやや丸くどちらかというと"可愛い"部類に入る容姿を持つその少女は、嬉しそうに笑う。
「やけに嬉しそうだね、ナギ」
隣で笑う濃紺にも見える、青いの髪にが特徴的な少年がクスリと笑い、ナギと呼んだ少女を抱き寄せた。少年も少女も、"レンアイカンジョウ"は持っていないのだが。
ナギ——否、凪は少年、ロココの肩に自身の頭を乗せながら微笑して見せた。
「もうすぐ——守に会えるの」
ロココは驚いたように、其れで居て何処か楽しそうに笑った。
ライオコット島に存在するエリアの内の一つ、コトアールエリアは静かな雰囲気を漂わせている。ロココは考えた。自身の尊敬する——勿論、様々な意味で——凪の"双子の弟"とはどういった人物なのだろうかと、自身の師匠の孫はどういった人物なのだろうか、と。
凪の脳裏に蘇る幼い弟はサッカーが大好きな子だった。容姿も、何もかもが微かにしか覚えては居ない。其れでも凪は双子の弟に会いにいくことを躊躇した。祖父と、ロココと、皆と共に居たかったから。
「……少し良いかしら、」
其々思いを馳せている二人に、控えめな声が掛かる。
凪が振り向けば其処にはチームオペレーターを務めている少女が目に入る。元々、双子の弟のサッカー部のマネージャーを務めていた人物に、凪はにっこりと微笑んだ。
「ええ、勿論。ロココ、少し話してくるわね」
ロココは二人を疑わない。
ああ、と頷けばその場を去っていく。其れを見、凪は目の前の人物——夏未に話し掛けた。
「、円堂君のおじいさんも双子のお姉さんも——生きていたのね、」
「情報が早いわね、流石。私は今まで隠して生きてきたつもりだったけど、流石理事長の娘さん?」
「……円堂君の前に、顔を出そうとは思わないの?」
ピリピリとした雰囲気の中でも凪は微笑を崩さない。夏未は凪の存在感に既に負けそうになっていた。決して、サッカーが強いわけでも無いし、怖いわけでも無い。其れでも、凪には何かがある。
円堂とは大違い、とでも言えばいいのだろうか。夏未は眉を寄せた。
「守とはね、もうキョウダイじゃないのよ」
ふふ、と再度自嘲気味に笑う凪に夏未は小さく呟いた。
「————円堂君は、貴女のことを想っているのに」
( すれ違ってていいのかしらね、 )