二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: マリア様が見てる ( No.6 )
日時: 2012/04/25 06:27
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)

古い階段がギシギシ大きな音を立てる。


未だに繋いだままの手は、少しだけ汗をかいていた。



階段を昇り切りビスケット扉を開ける。


その先に居たのは白薔薇さまこと優菜さま、黄薔薇さまこと月姫さま、黄薔薇のつぼみの沙夜華だった。



「…ええっ?」



あたしはとあることを思い出し、思わず声をあげてしまう。



「り、理沙ちゃん?!どうしてここに…蛍ちゃん?明日香はどうしたの」



それは3人も同じようで、あたしが現れたこといとても驚いて、黄薔薇さまこと月姫さまはいった。


どうしてかって?一番最初にあったでしょう、今日会合があるなんてあたし聞いちゃいない。
会合がないならみんなさっさと帰る筈だ、それなのい蛍は薔薇の館へ行こうといった、
そして実際着いたら何故かみんながいた。

そりゃ、驚くでしょう。


「うぁ…忘れてた」



つぶやく蛍。



「…あーあ、ついにやっちゃったのねあの人は」
「全く、タッチの差って感じ?」



優菜さまも月姫さまも何を言って……あ、分かった。
あたしにお姉さまの考えが分かったように、付き合いの長い薔薇さま方も気がついたんだ。
明日香さまが小町ちゃんを妹にすること。

で…それを阻止するために、本来なら一番傷付くであろうあたしを外し、話し合いをしようとしたのか。

…お優しい方々だ。優菜さまは字の通り。



「まあ、2人とも座って。沙夜華お茶入れて。話はゆっくり聞くわ」
「はい」



黄薔薇さまに言われ、あたしと蛍は席に着く。
…癖というかなんかで、やっぱりいつも座っていた席に。

沙夜華が暖かいお茶を持ってきて配り、着席する。



「…さて、理沙ちゃん蛍ちゃん。こちらも何が起こったかは分かっているつもりだよ」
「…でも、一応確認しても良いかしら?いやならいいのよ、そういって」

「いえ、平気です」



心配そうな顔をしている蛍にそっと微笑みかけて、あたしは起立。



「私は…紅薔薇さまにロザリオを返しました。つまり私はもう紅薔薇のつぼみではありません」

「それは…少し違うのではないの?あなたが返したんじゃなくて、明日香が返せと言ったのでしょう」



優菜さまは言う。あたしは…何も言えなかった。



「…困ったな。学園祭もこれからだっていうのに」



くしゃっと、頭をかいて黄薔薇さまは言う。



「あ…それで、2人はどうするの?」



今まで黙っていた沙夜華、ふいにこう聞く。



「どう…って言われましても…普通の一般生徒として残りの学校生活過ごすのでは?」
「それは無理ね、どう考えても」



あたしの代わりに蛍が答えるが、優菜さまがきっぱりいう。



「新聞部に引っ掻き回されるわよ、このこと。そうしたらとても普通の学校生活なんて無理」
「あー…あの江戸っ子部長。でも引退したんじゃいの?」
「甘いわ。千秋さんはあれでも学力はあるもの、リリアンの大学に行くと言っていたから今でも現役」
「うわ、それは手ごわい」



ちなみに言っておきますと、
前新聞部部長の3年広瀬千秋さまは山百合会ファン。ことあるごとに山百合会をネタに新聞をつくる。
この時期じゃもうとっくに3年は部活を引退している筈だが、上記の理由により今でもバリバリの現役。

なぜ江戸っ子部長とよばれるかというと…いや、いいか。あたしあの人苦手だし。




「理沙ちゃん、蛍ちゃん、私からも聞かせてらうけどこれからどうするの?」
「…もし、よかったら事態がおさまるまでは薔薇の館に来ても良いでしょうか」
「全然いいよ、ねぇ?山百合会は人手不足だからね」



じゃあ、決まりね。そういってほっとしたように笑う月姫さま。

これで、良かったのかな。