二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リクエスト短編集〜ぬらりひょんの孫〜 ( No.17 )
- 日時: 2011/10/10 12:13
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
★HITOMI★様リクエストです。
更新遅くてすみません。
紀乃、首無が高校時代のお話です。
リクエスト番外編 名も知らぬ君に恋をする。
「はー…本格的に降ってきたなぁ…」
お店の屋根の下にいる彼女は、曇った空を見上げため息をついた。
そして自分の姿を見て、もう一度ため息をつく。
「びちゃびちゃー。タオルなんかないし…ハンカチでいいか」
そう呟くと、カバンの中をあさる。
セーラー服はずぶ濡れだった。髪の毛も、お風呂上がりの状態だ。
ブラジャーは透け、彼女の大きな胸は服がお腹にべったりとくっついているため、いつもより大きく見える。
「うっわー…。自分で言うのもなんだけどちょっとエロいわー」
いけない言葉を簡単に言いながら、彼女はハンカチでいろいろな所を拭いていく。
やっと拭き終ったところで、男が彼女に声をかけた。
「隣、いいかな?」
彼女は顔を上げる。
顔は、濡れた長い前髪のせいで顔は隠れているが、かなりイケメンだ。
「あ、ごめんなさい。どうぞ」
「ありがとう」
彼は、にっこりと笑うと、屋根の下に入ってきた。
彼女は微笑み返し、男が入れるくらいのスペースを空けた。
「雨、すごいね」
彼は雨のほうを見ながら言った。
「そうですね、わたしもずぶ濡れですよ」
彼女も、雨に目をやった。
雨がやむまでの間、二人は会話をする。
「髪の毛、長いね。それに綺麗だ。全く痛んでいない」
「そうですか?」
彼女は自分の髪の毛を触る。
彼女にとって、髪の毛は命だ。
もちろん、メイクなどにも気を使っているが、髪の毛は特に気を使っている。
すぐに傷んでしまうので、毎日念入りにチェックをする。
学校でも、いろいろ褒められるが、初めて会った人に褒められるのは初めてだ。
正直に言うと嬉しい。
「ありがとうございます」
ニッコリと笑って、男のほうを見る。
男はその笑顔に、不覚にもドキッとしてしまった。
前髪を、後ろに流し、何でもない風にする。
彼女は男が動揺していることなど、全く気付いていなかった。
彼女自身が動揺していたから。
あまりの整った顔に、彼女は動揺していた。
『ちょっと待って…?初めて会った人なのに…。なんでこんなにドキドキするの…?』
彼も、
『待て待て待て。いや、確かに美人だけど、無いだろそれは。あれ?なんで俺こんなにドキドキしてるんだ…?』
『『何この気持ち…!』』
心の中で、シンクロしていた。
「あ…」
彼女は顔を上げる。
「雨、止んでる…」
さっきまでどしゃ降りだった雨が、一気にあがった。
空には虹が出ている。
「これで、帰れますね!」
笑って言うが、この人ともっと一緒にいたかった、と思う気持ちもあった。
「そう、だな…」
彼も、同じことを考えていた。
「「……………」」
しばらくの間、沈黙が流れる。
屋根から落ちる滴の音だけが、二人を包んでいた。
「あ、の」
沈黙を破ったのは彼女のほうだった。
「また、会えますか…?」
チラッと、彼の横顔を見る。
彼は、「会える」と言いたかった。が、保証はない。
「また、会おう」
願いを込めて。
「はい!!」
願えば会えるはずだから。
「「また!!」」
逆の方向に歩き出す。
悲しくはなかった。
『『本当にまた会えそうな気がする』』
次の日、彼が彼女のいる学校に転校してきたのは、また別の話。
★HITOMI★さんリクエストの、毛倡妓と首無の人間時代のお話でした。
完全オリジナルって難しいですね…。
なんかもうダメダメ…。
こんなんでよかったら…どうぞ…。
更新遅れてすみません…。
いろいろ考えたんですけど、どれもいまいちで。
これになりました。(一番いいのがこれって!!)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!