二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONEPIECEー天竜少女の物語ー(コメ求む ( No.37 )
日時: 2011/12/03 19:35
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/favorite.php

笑い



宝島を出港して数日後、サニー号は次の島に上陸した。

「うほぉー!でっけぇ街だなぁ!」
「皆、聞いて。
今日にログは溜まるから、夕方には出港ね」

各々、荷物をまとめた。

「じゃあ、買い出しに行くか」
「おれは本屋に」
「私もいいかしら?」
「フランキー!道具屋に行こうぜ!」
「アウッ!」
「それじゃあ、カノン。
あんたはゾロとブルックと船ば「ゴメン、ナミ!」?」

「あたしも用事があるんだ!
先に行っとくねー!」

「ああ!ちょっとカノン!!」
「もしかして情報集めに?」
「情報?」


「んー。
なるべく人のいる所がいいよね・・・」」

カノンはメモ帳とペンを持って、人混みの中にいた。
この町は活気が良く各地から人がわんさかやって来るらしい。

「あ、酒場」

見知らぬカップルが酒場に入って行くのを追うように、
カノンも酒場へ入って行った。


酒場はすごく騒がしかった。
皆、酒を沢山飲んで、顔を真っ赤にしながらも嬉しく話し合っている。

「いらっしゃい、お穣ちゃん。
何にする?」
「じゃあ、グレープジュースで」
「あいよ」
「あとおじさん」
「なんだい?」
「あのね—」

そのカノンの言葉に、酒場の全員の顔が引きつった。


「まだ買うのか・・・?」
「当たり前でしょ!
次はここ」

ナミの新しい服を大量に持たせながら、かなりルフィは疲れていた。

「あら。ルフィ」
「おー、ロビン、チョッパー。
偶然だなー」
「あ!お前ら!」
「ウソップ!フランキー!
掘り出し物見つかったかー?」
「アウッ!スーパー見つかったぜ!!」
「ナミすゎーん!ロビンちゅわーん!!・・・とその他!」
「サンジ君」
「今日はごちそうだぜ!」
「ホントか〜!?」

7人が騒いでいたその時—

キャ———ッ!!!!

悲鳴が響いた。

「なんだ?」


悲鳴は酒場の方から聞こえた。

「おい、アンタ。
何があったんだ?」
「ああそれがよ・・・。
ポニーテイルの女が『ドラゴンを知らないか』なんて質問を
してよ、それが可笑しくて酒場にいた奴ら全員笑ったんだよ。
するとどうだ。
豹変したのか、その女は酒場の奴らを—」
「ちょっと待って!」
「そのポニーテイルのレディは、カジュアル系の白い服を着てたよな!?」
「そうだ。
かなりの美系だが—知り合いか?」
「っていうか・・・」

「カノォォオオオオオオン!!!!」

ルフィは真実を知る為に走り出した。


「カノ・・・!?」
「なによ・・これ・・・!?」

酒場は荒れていた。

テーブルは壊れ、客や店員は皆倒れ

そして—

「カノンちゃん・・・?」

白い服には、ところどころ赤い斑点がついている。
赤い液体がついた両手を見て、


「た・・すけ・・・て・・・」


そう言ってカノンは倒れた。


「目ェ覚めたか?」
「ご気分は?」
「・・・!!
あれ!?なに!?なんでサニー号に!?いつの間に!?
イタッ・・・」
「無理すんな。二日は寝てたんだからよ」
「二日ぁ!?」
「覚えてないんですか?」
「—全然」

ゾロとブルックは事情を説明した。

「・・・・!?」
「で、お前はそのまま倒れたそうだ」
「—また・・か」
「また?」

カノンは俯き、恐る恐る過去を語った。

「あたしは今まで、上陸した町でドラゴンについて情報を集めていたの。
でも—
どんな人でもその事を笑う。
それが…許せなくて…」

それ以上は言えなかった。
彼女は黙った。

ドカ————ン!!!

「いててて…」
「オイコラ!!
ドアが倒れたじゃねぇか!!!」
「皆…」

全員がカノンの過去を聞いていた。

「で、それがどうかしたのか?」
「だ…だって!!
皆がもしドラゴンの事を笑ったらあたしは—」
「カノン」

ルフィが呼びとめた。

「笑う訳ねぇよ。
そんな事してたら、カノンはここにはいねぇだろ?
最初っから信じてる」
「…」
「これからも旅を続けようぜ!!
海賊王になるまで!!!」

カノンの瞳に涙が溢れ、零れた。

今でも消えてしまいそうな声でこう言った。


「ありがとぉ……!!!」


その夜、カノンは子供のように泣きじゃくった。

次の日

「もう泣きやんだ?」
「うん、お陰さまで!
それより、寒くない?」
「—いよいよ次の島の気候海域に入ったわね」
「冬島か!!
雪だるまができるな—!!」
「雪騎馬戦!!」
「カノン、あんた何の遊びソレ?」

急に寒い風が吹く。
カノンは船首に体を向けた。

「カノン?」
「ハイ??」
「どうかしたか?」
「ううん」
「それよりよ!
今日の晩飯は熊メシフルコースだってよ!!」
「ホント!?」
「早く行こうぜ!!」
「うん!!」

「そんなワケないよね…」

心配そうにカノンはそう呟いた。

グランドライン・海軍本部

「元帥!!
センゴク元帥!!」
「なんだ?」
「こ…これを……」

海兵はコレが載った紙をセンゴクに渡した。

「こっコレは!?」
「先ほど、五老星がこれを全海兵に話せと…」
「何を言ってるんだ!?
コレの存在は表にも裏にも知らされてはならない物なんだぞ!!!」