二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONEPIECEー天竜少女の物語ー(番外編募集中です!! ( No.58 )
日時: 2012/01/28 12:06
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)

黒猫

氷の中に入ったドラゴンは眠っているようだった。
しかし、その体は大きくこれが動き出したら
大変な事になるのは目に見えていた。

「まさか…これがグランディーネ?」
「ううん、グランディーネはこれより少し小さいの」
「いや、それでもでけぇよ」

…タ…テ…

「—誰か何か言った?」
「は?」
「誰も喋ってねぇぞ」
「変だなぁ…」

…ス…ケ…

「また…?」

さっきからカノンの耳に誰かの声が聞こえてくる。
理由は分からないが途切れ途切れになって
何を言ってるのか正確には分からない。
すると

“グニャ”
【ニャッ】
「?」

1歩踏み出した足の裏から何かの鳴き声が聞こえた。
恐る恐る足を上げると…

「…!」
【—ッ…って…】

可愛らしい黒猫がいた。

「かわいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

カノンの嬉しげな叫びが洞窟銃に響いた。
他の仲間達はなんだなんだと驚いた目で彼女を見るばかり。

「どうしたんだ?」
「これ!黒猫!!」
「ホーリーナイト!?」
【ショコラ!?】
「…」

一同は少しの間黙ってすぅ〜と息を吸って叫んだ。

「喋ったぁああああああああああああああああああああああ!!?」
「なに?驚く必要ないじゃん、そっちにも同じようなのがいるじゃない」
【ショコラ、アイツらはなんだ?】
「ああ、海賊よ」
「すげぇ平然と喋ってる!!」
「ちょ、ちょっとおおお落ちこう!!!ええとまず、えええ…」
【お前が落ちつけよ】

◆◆◆

という訳でどこから取り出したのか分からないが、
一同はちゃぶ台に置かれたショコラ特製ハ—ブティーを飲みながら一息をつき、
ホーリナイトの話を聞いた。

【俺は遺跡調査の時に突然起こった時空の歪みに流され此処へ来た】
「……」
【どうした?】
「ど、どこから理解したのいいのよ…」
「別次元すぎる…」

ほとんどの者が必死に頭を回転させてる中、

「なぁ、お前ら仲間になれよ!」
「はぁっ!?」
「「「「「「「「ルフィ!!!!!!!」」」」」」」

ルフィは二人を一味に勧誘していた。
もちろん二人は拒否。

「なんでだよ!?」
【誰がやるか海賊なんて。俺はお前らを信用してねぇんだ】

ホーリーナイトはちゃぶ台の上に立って一味に指を指した。

【いいか?
俺はショコラを傷つけたり、利用したり裏切ったりする奴は信用ならない】
「おれ達しねぇぞ、そんな事」
【フンッ…どうだか…】

そう吐き捨てて、ホーリーはちゃぶ台から降りた。
ショコラは黙ったまま俯く。
カノンは何故か頭を押さえた。

“カツ…カツ…”

「!?」
「誰か来る!」
「おいおい隠れろ!!」
「うぅう…」

足音を聞いたカノンが唸った。
その音が近づく度に頭が締め付けられるように痛くなる。
頭の中に何かの声が響いてくる。

“タ…ケ…ネ…イ…”

















“タスケテ!!!”















「!?」

歩いて来た者の姿を見た一同は言葉を失った。
青色のストレートロングに王族のような衣装。
まるで宝石のような美貌で14歳くらいの少女。
違う所は———

















ただ透けているだけ。












「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ……」


幽霊。


その生命体はずっと凍ったドラゴンを見ていた。