二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONEPIECEー天竜少女の物語ー(オリキャラ&番外編募集! ( No.63 )
日時: 2012/02/03 18:00
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)

幽霊

城が真っ赤に燃えあがる。
メラメラと…人1人残さずに全てを消す火が。

「誰かァ————————————!!!」
「助けてくれぇ!!」

後ろからは何千人もの悲鳴が響く。

炎を発火させた者は遠くからその無惨な光景を見ていた。
見かけは幼い。まだ10才にもなっていなかった。
子供はその場から立ち去ろうとした。

“ガシッ!”

何かが子供の足を掴んだ。

「ヒール…親の私達を…」
「見捨てる気か…?」
「!?」

子供は震え上がった。
焼け焦げた両親が大口を開けて彼女を引きづり下ろそうとした。

◆◆◆

「——ノン…カノン!!」

頭を押さえ、苦しむカノンを仲間達は必死にその名を呼ぶ。
しかしあまりにも大きすぎ…

「…あ…」
「ど、どうしたのよ?」
「ききき…気づかれたァ————————————————ッ!!!!」

幽霊は冷たい視線で一同を睨んでいた。

「やんのか!?」

化物3人組は体制を整えるが、

「やめろぉ!!」
「呪われたらどうすんのよ!?」
「お前ら責任取れんのか———!?」
「「「取れねェ」」」
「「「うぉい!!!」」」

その場にいた幽霊は消えていた。

「!!」

幽霊はカノンの目の前にいた。
幽霊の手には尖った氷が。


“ザシュッ”


斬れる音が—


“ブシュッ”




血の出る音がカノンの首から聞こえた。




「カノン!!!!」
「お前…ッ!!」
「ショコラ!見るな!!」

ホーリーが声を荒げる。
しかし彼の言葉は届いていないのか、ショコラは倒れたカノンを見ていた。

「あ…ぁあ…ぁああああああアアァァ———————!!!!」

彼女の悲痛な悲鳴が洞窟内に響き渡る。
幽霊はまた消えた。

「い…今の隙だ!!カノンとショコラを安全な場所へ!!!」
【やかましい奴らだ】

全員が声のする場所を見上げた。
凍ったドラゴンの上にいた幽霊が全員を見下ろしていた。

「なんなんだよ!!お前は!?」
【…私はアイス・パンドラ・ヒール。
パンドラという国の王女となる筈だった】
「だった…?」

ヒールは表情を暗くしていく。

【その理由をいう理由は無い】
「じゃあ何が目的なんだ?」
【目的、か…】

しいていうなら、と言って彼女は手を広げこう言った。

【このドラゴンを使って世界を混乱に落とす…そういう事だ…!!】