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運命は廻る、自分の知らないところで。


くる、くるり…。






———＊プロローグ




「紫苑っ、紫苑ーっ…!!いやっ、死なないで…!!」


あぁ、友達が泣いている。




私は朦朧とした意識の中思った。

—泣かなくてもいいのに…。




そう、言いたいが声が出ない。



自分でもわかるぐらい、血が無くなっていってる…。



あぁ、私もう、死ぬんだ…。








でも、最期に友達を救って死ねたらいいや…。



友達を車との接触から救って死ぬって、あの世で大自慢できるし…。



だから、泣かないで…。












———私の意識は完全に闇に消えた。






＊







「ん?誰だ、この嬢ちゃん…」





ある男は自分の家の前にいる少女に駆け寄った。






「Σッ!?すごい、出血量だ…!!」


その少女は全身血まみれだった。


男は少女を急いで家へと運んだ。







その、少女の名を、糸月紫苑。


少女を拾った男の名を、藤本獅朗。





その少女の運命が再び動き出した——…。









———くる、くるり。







少女の人生はまた廻る。