二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: コナンと黒の組織の死闘 名探偵コナン File5 up! ( No.16 )
日時: 2011/10/28 20:31
名前: 未熟な探偵シャロン ◆jtHtMr3tGQ (ID: QCG7hJgu)

File7 組織にいた頃


コナンは蘭に、今夜は博士の家に泊まると言って、夜八時、今に至る。
愛理は自分の両親が殺された経緯を全て話し、阿笠博士についでもらったお茶を一口口に含んだ。


「ゲフッ!は、博士!ちょっと苦いわ。いや、ちょっとどころじゃなくて、かなり苦いわ」
「な、何じゃとっ?どれどれ……むっ、確かにこれは苦いのぉ〜。すまなかった、入れなおしてくるよ」
「すまないね」


愛理は申し訳なさそうに笑った。
そして、正面で胡坐(あぐら)をかいて、腕を組んで、難しい顔をしてるコナンを見た。


「何か聞きたいことは?」
「山ほどある」
「じゃ、順番に言って。答えられる限り、答える」


愛理はにっこり微笑んだ。
コナンは愛理の笑顔に、ちょっと和みながらも、一つ目の質問をした。
何よりもずっと聞きたかった質問。


「どうやって組織に入り込んだんだ?」
「あぁ。それは安易なことではなかったわ。二ヶ月前、私の両親が殺されたと知って、一週間経った後。ジョディさんに組織の一部の人が潜伏している場所を突き止めたのよ。東京に。そこで私は、お兄ちゃんと一緒にジョディさんには内緒で、その東京の潜伏先にに向かった」
「えぇ!?」
「無謀でしょ。でも、こっちはこっちなりに、計画は練ってあった。まず、潜伏先に潜り込み、その場で嘘をでっちあげる。んで、その場に溶け込んでから……」
「おいおい!それで組織に入ったの!?単純すぎやしないか!?」


コナンは身を乗り出して、愛理を見た。
しかし愛理はただニヤリとしてるだけだった。


「そう思うでしょ。でもね、その潜伏先に潜んでる組織のメンバーは、他のメンバーとはちょっと違ったの。そう、実習生みたいな人たちだったの。運が良かったのか悪かったのか。そこで私もでっちあげた嘘でその場をやりすごして、コードネームを貰った。シードルってね」
「で、でもお前みたいな人が紛れていたら、若いし、すぐにわかるんじゃ……」
「ま、私も結構スタイルとか自身あったし、普通の大人に見間違われることもよくあったし。22歳とかでも言って、誤魔化しても、何も咎められなかったわ」
「でも、そんなの、でっちあげた嘘なんかすぐ見抜かれるだろ」
「コードネームは一種の合言葉のようなもの。私のコードネームはすぐに登録され、組織の一部がいる研究所ではコードネームさえ言えばどこへでも行けた。だから、その間に“シードル”という人物の身元なのどを書き込んだ。もちろん、そうしたからって100%安全とはいえないから、結構怪しまれてたこともあったけど……」


愛理は一息ついて、再び博士が持ってきたお茶をすすった。
愛理は一緒に聞いている博士に目をやり、手でグッドサインをだした。
コナンは博士の持ってきたお茶には手をつけず、その湯呑みをずっと眺めて愛理の言ったことを理解しようと努めた。


「そこで私は何日か組織の研究所に潜伏した。そして、ある日、私はお兄ちゃんから貰った小型の携帯でお兄ちゃんと話し合い、その日、組織の情報をCDに納め、引き上げることにした」
「そんなことしたら組織の誰かにっ……」
「まぁ?私の存在を怪しく思い調べていた輩がいたから。最初からいたのよ。そういう人。でも、私は組織に居る間、出来るだけ先輩には信頼されるように努めてきた。その甲斐あって、一部の先輩には信頼された。そのほうがやりやすいし。で、私はお兄ちゃんと小声で話し合いながら、組織の情報などが入っているコンピューター室に向かい、ちゃんと組織の情報を入手した。さぁこれで帰れるかと思いきや……」


愛理は再びお茶を口の中に含んだ。
博士とコナンは真剣な眼差しで愛理を見つめていた。


「ジンとばったり会った」
「!?」


ジン、という名前に反応して、コナンは目を見開いた。


「ジンと会ったのか!?」
「えぇ。ちょうど、私がそこの研究所にいたとき、ジンもいたのよ。弟分のウォッカと共に」


コナンはウォッカの名前も聞いて更に興奮した。
(奴等が……奴らがいる!!)


「私がコンピューター室に出た直後、目の前にジンが立っていたのよ」