二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: コナンの死闘 名探偵コナン ( No.3 )
日時: 2011/10/12 19:28
名前: 未熟な探偵シャロン ◆jtHtMr3tGQ (ID: R3ss0lfj)

File2 シードル=安藤愛理=リサ・グリーン


「傷口も浅く、出血もさほど酷くないですし、大丈夫でしょう」
「そうですか!良かったなぁ、愛理ちゃん」
「ほんと!良かったね、愛理ちゃん!」


医師から伝えられ、コナンと哀以外は少女の命に別状がなく喜んだ。
名前は安藤愛理と少女は言った。
小学一年生で、今は兄と一緒に暮らしている……そう話した。
コナンと哀はずっと少女を観察した。特に哀は少女だけでなく、周りも見回した。
(私の感覚からは黒ずくめの奴らはいない……。でも、ひょっとしたらどこかにいて観察しているかもしれないわ……)


「ねぇ、歩美ちゃん」
「なーに、愛理ちゃん」
「ちょっと、服を貸してもらえないかな?」
「え?」


愛理は歩美に耳打ちした。


「私の家はここから遠いくて……。あなたの家なら近いと思うんだけど……。いい?あとでちゃんと返すから」
「うん!いいよ!」


歩美はクルリと振り返り、走り出した。
愛理はすばやく、歩美の手をとった。


「え?」
「小学生でましてや女の子だけじゃ危ないでしょ?男の子を護衛につけなきゃ。元太君、光彦君」
「あ、はい!」
「お、おう!」
「歩美ちゃんと一緒に行ってくれない?男ならレディーを守らなくちゃ!」
「はい!わかりました!では、歩美ちゃん、行きましょう」
「うん!」


歩美と光彦と元太は愛理の病室から出て行った。


「それでは、何かあったら呼んでください」


医師はそう優しく呼びかけ、部屋から出て行った。
パタンとドアがしまった瞬間、愛理はため息ついた。


「さっきから、コナン君と哀ちゃんは私を警戒してるようだけど、何か?」
「え?」


間抜けな声を出した博士は、愛理を睨み付けているコナンと哀を見た。
愛理は口元に笑みを浮かべ、窓の外を見つめた。
そして、四人の間に沈黙が漂った。


「あなた、何者?」


沈黙を破ったのは、哀だった。
博士は少々ビックリして、哀を見つめる。
そんなのお構いなしに、哀は続けた。


「なぜ、大人用の白衣をまとって森の中で気を失っていたの?なぜ、銃で撃たれてたの?なぜ、私たちと同じ小学一年生なのに大人っぽい口調なの?そして、このCDは何なの?」
「あら、私のCD、持ってたの」


哀が愛理に差し出しているCDを眺めながら、呑気な口調で喋った。


「何、私が年齢を偽っているとでも言いたいの?」


愛理があざけわらう顔で哀を見つめた。
哀はより一層警戒して、後ずさりをした。


「少なくても、名前は本当の名前じゃないはずだぜ」
「!!」


コナンは両手をポケットにいれて、愛理を睨んだ。
愛理の顔は険しくなって、コナンを見つめた。


「あくまでオレの推測だが、安藤愛理ってのはホームズの小説の中に出てくる女性の名前……。ホームズが一目置いていた女性アイリーン・アドラーからもじった名前じゃねぇのか?」
「なんじゃと!」
「……」
「あと、これは灰原が言っていたが……、お前が着ていた白衣はある組織の特注で作っている白衣なんだ。なぜお前がそれを着ている?」


再び沈黙が走った。
愛理はうなだれた。
コナンは両手を後ろに手を回して、時計型麻酔銃の準備をした。


「フフフフフ……」
「!」


愛理は肩を震わせて、笑い始めた。


「アハハハハハ……。やっぱり、バレちゃうわよね……。こんな不自然な子供がいたら……。確かに、安藤愛理は私の本名じゃないわ」


愛理は顔を上げた。表情は残忍な人の顔だった。
灰原はコナンの後ろに隠れた。


「シードル……これが私のコードネームよ。私は貴方たちと同じようにAPTX4869を飲んで幼児化した姿……」
「なぜ、わざわざその薬を飲んで、ここに着たんだ」
「そのほうが仕事しやすかったから……」
「仕事って?」
「そうね……貴方たちを……」


コナンは麻酔銃をいつでも撃てる体制に入った。
すると、突然愛理は跳ね起きて、博士の背中に飛び移った。


「んな!」
「動かないで」


コナンが麻酔銃を構えた瞬間、博士の頭には黒い銃口が向けられていた。


「あなたはその麻酔銃をうっても、私が博士を盾にすれば博士に麻酔銃があたり、博士が眠るのよ……」
「くそっ」
「ぁわわわ……」


博士の顔は青ざめて、震えていた。


「私の仕事は組織のことを知っている人物を殺すこと!さぁ、あなた方をいつも助けてくれた博士が先に死ぬ様をよく見ればいいわ……」


(くそ!どうすればいい!下手に麻酔銃を撃てば博士にあたって、意味がない!どうすれば……)
















バキューン!
コナンが考えてるうちに、銃声が聞こえた。
コナンと哀は青ざめて博士を見た。













「へ?」


銃口はコナンと哀に向けられていた。
銃口からは、白い旗のようなものが出ていた、色とりどりな髪が出てきた。
白い旗には『はじめまして!リサ・グリーンです!』と書いてあった。
コナンと哀は呆然と眺めた。


「あーっはははははは!おっかしー!その顔!」


愛理は爆笑しながら、博士の背中を降りた。
銃口から出ている白い旗を取り出して、コナンと哀に向けた。


「初めまして!高校一年生、リサ・グリーンです!出身地はアメリカ合衆国!今までのは、初めて二人に会った記念の余興でーす!」
「え?え?」
「ごめーん、ちょっと余興に力が入りすぎて、かなりビックリさせちゃったかしら?阿笠博士、大丈夫ですか?かなり私もやりすぎちゃったものだから……。立てますか?」


足がすくんで、座り込んだ博士を気遣う愛理ことリサは、博士に手を差し出した。
三人は何も出来ず、ただボーッとリサを見つめていた。


「ん?三人ともどうしたのよ?ボーッとしちゃって。志穂ちゃんらしくないわ。新一君も」
「あ……、や、でも……君は……さっき、シードルって、コードネーム……その白衣……」


コナンは混乱して、リサを指差した。


「あぁ〜、あれは本当よ」
「じゃ、お前は……」
「大丈夫。あれは、お兄ちゃんの捜査の手伝いで組織に入ってたの」