二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: コナンの死闘 名探偵コナン File2 up! ( No.8 )
- 日時: 2011/10/13 22:01
- 名前: 未熟な探偵シャロン ◆jtHtMr3tGQ (ID: R3ss0lfj)
File3 リサの正体
「大丈夫。あれはお兄ちゃんの捜査の手伝いで組織に入ってたの」
「え……?」
サラリと言った爆弾発言に、本日三度目の沈黙が走った。
三人は今起きた状況に整理するのがやっとで、沈黙を破るなんて二の次だった。
「嘘よ!きっと、嘘!」
沈黙を破ったのは、哀だった。
哀は信じられない、という顔丸出しでリサに向かって指を指した。
「だ、だって……あの組織から出るなんて……しかも、あなたみたいな人が……やっぱり、あなたはそう言って私達を油断させて、私達を殺す気なのよ!」
「証拠は?」
「っ……」
リサはゆっくりとベッドの上にのぼり、布団をひざの上にかけた。
そして、何も臆することなく哀を真っ直ぐ見つめた。
澄んだ青い瞳に嘘などという不純物が無い目で見つめられ、哀はたじたじとなった。
「私が本当に組織に入っていて……それは捜査で……で、あの組織から抜け出した、という事を裏付けてくれる人がいるわ」
誰も喋らなかった。
リサはコホンと咳払いをして、この中の三人は必ず、そして何度も聞いたことがある名前を口走った。
「ジンよ」
「っ!!」
哀の心臓は口から飛び出るんじゃないかと心配がいるほど、飛び上がった。
コナンも大分驚いたようだ。
口をあんぐりあけて、リサを穴が開くほど見つめている。
「あとは、FBI捜査官の私のお兄ちゃんとジョディ捜査官とジェームズ捜査官よ。ジョディさんとジェームズさんは知ってるわよね?」
「え……あ、あぁ……」
「ま、知ってて当然よね。ジョディさんとジェームズさんから、新一君達のこと聞いてたから。“クールキッド”ってね」
リサは一呼吸を置いて、再び喋り始めた。
「えーと、あ、そうだ。あと、哀ちゃんが今手に持っているCD。あれは組織の何らかの情報が入ってるはずよ。私がその情報を盗んできたの」
「何だと!」
コナンは哀のCDを見た。
(ってことは……あいつ等のボスや……ひょっとしたらAPTX4869の解毒剤とかが……)
「多分、APTX4869の事についての情報は載ってないわ」
「え、何で?」
「これは、組織のある建物の中にあるコンピューター室にあるパソコンのとあるファイルからコピーしてきたものだし。そのファイルの名前は『21世紀のジェームズ・モリアーティー』って書いてあったの。かなり大胆な名前よね」
「21世紀のジェームズ・モリアーティーって……あいつ等のボスのことか!?」
「えぇ……。その可能性はあるわ。そして……そのファイルの下に……」
「愛理ちゃーん!持ってきたよー!」
「え?」
病室のドアを勢いよく開けて、紙袋を持ってきた歩美と光彦と元太が走ってやってきた。
「はい、服だよ」
「え、あ、あぁ……わかった。ありがとう、歩美ちゃん。光彦君も元太君も」
リサこと愛理は歩美にニッコリと笑いかけた。
「じゃ、着替えるから、皆出て行って。レディーのお着替えシーンを見たらコテンパンにするからね」
コナン達と話していた口調とは違い、呑気な口調で皆に言った。
そして歩美と光彦と元太はさっさと出て行った。
コナンと哀と博士も出て行こうとしたら、「待って」と呼びかけられ、三人は振り返る。
すると、愛理は微笑みながらウィンクをした。
「さ、出てった出てった!」
愛理はコナン達に手を振った。
コナン達は呆然となりながらも、ドアを閉めた。
「どう思う……あの子」
哀はドアを閉めた途端にコナンに話しかけた。
「まぁ、愛理の言ってることは本当だと思うぜ」
「まさか、信じるの?」
「あぁ。愛理はそう言ってるし、ジョディ先生達に聞けばわかるだろうし。それに……」
コナンは哀が持っていたCDを手に取り、不適な笑みを浮かべた。
「これを見れば本当かどうか、わかるはずだぜ」
「っ……。ふっ、そうかもね」
哀も同じように不適な笑みを浮かべた。
「え、そのCD見るのか!?」
元太は話に割って入ってきて、コナンからCDを奪った。
「いいなぁ、オレも見たい〜」
「コナン君と灰原さん、さっきから二人でこそこそしすぎですよ!」
「私達にも教えてよ〜!」
「え、あ、あはは……。悪いな、ちょっとこれはお前達には言えない物なんだ」
「え〜!」
「ダメよ。これは安藤さんが、江戸川君と私だけに見せるって言っていたんだから」
「なんだよ、いつもコナンと灰原ばっかり!」
三人はぶーぶーと文句を言い放った。
コナンは困りながらも、笑顔で対応した。
しばらくすると、病室のドアが開いた。
歩美の服を着た愛理が立っていた。
「さっきから、騒がしいわよ。ここは病院なんだから、静かにしないと」
「ねー、愛理ちゃん!このCDコナン君と哀ちゃんにしか見せないの?」
「え、あぁ、そうよ。二人にしかわからない内容だから」
「そんなぁ……」
シュンとする歩美を見て、愛理はふっと笑った。
「じゃあ、全てが終わったら話してあげる。今は物語の途中なの。物語が全部終わったら……。ね?今、話したら物語の途中までしか話せないから、続きが気になるでしょ?だから、全部が終わったら、いいわよ」
「何だよ、物語って」
「人生の壮大な物語よ……。どんな漫画よりも面白い、どんな小説よりもすごい物語なんだから……」
愛理はなぞめいた笑みをしながら、ウィンクをした。
これには、もう三人は黙るほかなかった。
「そうだぁ!私ね、米花町、あまり見て回ったことが無いんだ。だから案内してくれる?もちろん、君達の家の案内もかねて!」
「うん!いいよ!」
「もちろんです!」
「任せろ〜!」
「よーし、行こうー!」
「オーッ!」
「……彼女、子供乗せるのうまいわね」
「本当に黒の組織に入っていたのかぁ……?」
コナンと哀は呆れて、その光景を見ていた。
「ははは……」
博士はただ笑っているしかなかった。