二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: コナンの死闘 名探偵コナン File3 up! ( No.9 )
- 日時: 2011/10/17 17:38
- 名前: 未熟な探偵シャロン ◆jtHtMr3tGQ (ID: DxncmFYg)
File4 新聞記事
「ここがワシの家で」
「ここが私の家!」
「僕の家はここですっ」
「オレの家はここ〜!」
歩美と光彦と元太は笑顔で、愛理に案内した。
愛理も楽しそうにクスクス笑いながら、ついていった。
コナンと哀も愛理に警戒を解いて、口元に笑みを浮かべながら一緒に歩いた。
「あ、そうだ。コナン君の家は?」
「え?あ、あー、オレの家は、小五郎のオッチャンの家に居候してる」
「小五郎のオッチャン……Oh!毛利探偵の家ね!」
途端に愛理ははしゃいだ。顔には満面の笑みが広がっていた。
頬にはえくぼが覗いていた。
「ねぇ、私、毛利探偵に会いたい!」
「え?な、何で?」
「だって……」
愛理は少し顔を赤らめて、こう言った。
「渋いし……あのオジサンっぽいとこが……。nice guy(ナイスガイ)よねぇ〜」
「あ、そ」
愛理の意外な一面に一同は半笑いでポカーンとした。
「ね、行こうよ!」
「え、あ、あぁ……」
愛理はコナンの手を引っ張って、歩き出した。
コナンは愛理の強引さに少し、転びそうになりながらもなんとかついていった。
それに続いて、皆も歩き出した。
毛利探偵事務所に近くなると、目の前から毛利蘭が歩いてきた。
「あれ、コナン君?」
「あ、蘭姉ちゃん」
「どうして?それに、皆まで……」
蘭は驚いた目で、皆を順繰りに見た。
そして、愛理と目が合うと、コナンにたずねた。
「この子は?」
「初めまして!安藤愛理、六歳ですっ」
愛理は元気よく敬礼のまねをすると、蘭はさもおかしそうに、クスリと笑った。
そして、愛理の目線に合うようにしゃがんだ。
「初めまして。私は毛利蘭よ」
「へー、こんな美人さんとコナン君は暮らしてるんだね」
「び、美人さん?」
「んな!」
からかうような目つきで、愛理はコナンを見た。
蘭は少し赤面しながらも、嬉しそうに笑った。
からかわれたコナンは、同じく顔を赤くして愛理をにらみつけた。
「ふふふ。あの、阿笠博士、この子はどうしたの?今日は皆でキャンプ行くって……」
「あ、あぁ、道路わきのところに倒れていたところをコナン君が見つけたんじゃよ。結構血だらけになっていたもんじゃから……」
「血、血だらけ!?大丈夫なの!?」
「蘭ちゃん、大丈夫よ」
愛理は服をめくって、腹部を見せた。
そこにはうっすらと血が滲(にじ)んでいる包帯が巻かれてあった。
「どっかで深く傷つけちゃったみたいで。それで気を失っちゃって、倒れてたの。お医者様からは、問題ないからこのまま帰っても大丈夫って言われたの」
「そ、そうなの?」
「うん。だから、こんなに元気よ!ぅ、アタタタ……」
愛理は元気で平気なところを見せようとして、傷口をたたいた。
しかし、思った以上び痛かったのか、愛理は傷口を両手で押さえた。
(はっ……何やってんだか……)
コナンは呆れた笑みを浮かべた。
皆は大丈夫?といいながらも、笑っていた。
「と、ところで」
愛理は痛みを少しこらえて、蘭に視線を向けた。
「毛利探偵は今いるのかしら?私、ファンだから会いたいのよ」
「あ、そうなの。いいわよ。ちょうどお菓子とかも買ってきてたところだから、私の家に皆で遊びにおいで」
「わーい!お菓子だー!」
歩美、光彦、元太は素直に喜んだ。
哀はその様子を愛おしそうに見て、口元に笑みを浮かべた。
一向は毛利探偵事務所につき、中に入っていった。
「ただいまー」
「おう、おか……。って、何で博士達がいるんだ?」
「あぁ、ちょっと色々あって……」
「本物だわ!」
「ん?」
デスクの椅子に座っている小五郎に、愛理は走りよった。
「ん、何だお前」
「初めまして!安藤愛理と申します。実は毛利探偵のファンなんです」
「お、そうか?」
小五郎は顔に嬉しそうな顔が浮かび、愛理を見た。
「いつも活躍を見ていて、母も私もファンで……。あ、これが母です」
愛理はポケットから写真を取り出した。
小五郎は写真を受け取り、愛理の指差した女性を見た。
すると
「うっひょー!いや〜、綺麗なお母様だ〜!」
そこには、金髪で少しウェーブがかかっている髪形で、瞳は緑、鼻筋は通っていて、口から除かせている歯は歯並びがよく、白く光っていた。
すると、子供たちも寄ってきて、口々に綺麗と言った。
「あー!」
蘭は見た瞬間に、愛理の母を見た。
「その人、アメリカの美人弁護士って言われてる、クリスティナ・グリーンよね!」
「え、弁護士なの、愛理ちゃんのお母さん」
「へ?え、あー……」
(ヤバッ。まさかお母さんのこと知ってる人がいたなんて……)
愛理は急に汗が噴出した。
「何で、お前がこの女性のこと知ってるんだ?」
「お母さんが、グリーン弁護士のことを言ってたのよ。ものすごく有能で、負けたことのある裁判は無いんだって!しかも誰もが羨む美貌の持ち主で、アメリカではすごい有名なんだって。愛理ちゃんのお母さんがこの弁護士だなんて!ん?でも、愛理ちゃんの名前は安藤って、日本の苗字だし……」
「あーあーあー!えっと、その人、その弁護士じゃないよ!」
「え、そうなの?」
「う、うん。すごくそっくりで、よく言われるんだ……。でも、普通の一般人だよ。その、名前は……リサ!リサ・アンダーソンよ!えと、その、私のパパ、日本人で、私は安藤ってなったわけ!」
「へー、そうなの?」
愛理はしきりに頷いた。
「まったく、自分の母親が有名なら、写真出すなよ」
コナンは愛理に耳打ちした。
「あはは……。まさかここで、私の母親のこと知ってる人いるなんて知らなくて……」
愛理は困った顔でコナンに笑いかけた。
コナンは、呆れた笑みで愛理に返した。
「ん、そういえば。蘭、お前の言ったその弁護士って、なんて名前だった?」
「え?だから、クリスティナ・グリーンよ」
「じゃ、さっきの新聞の記事……」
小五郎はデスクの上にあった新聞をめくりだして、何かを探し始めた。
「えーと、確か……あった!」
「何があったのよ?」
「これ!『アメリカの美人弁護士、クリスティナ・グリーンの遺体発見』!!」
「えぇ!?」
「なんじゃと!」
「ちょっと見せて!」
コナンは新聞を奪い取ると、読み上げた。
愛理は険しい表情になった。
「『○月×日、アメリカのカルフォニア州の森の中で、美人弁護士クリスティナ・グリーンの射殺された遺体が発見された。
○月△日に、勤務先の事務所に出勤したが、事務所には着ていなく、出勤してるときに何者かに襲われたのではないかと、カルフォニア州の警察は捜査を続けている。
グリーン弁護士は、有能な弁護士であり、今までに負けたことのある裁判は無い。
その裁判でグリーン弁護士に打ち負かされ、グリーン弁護士を怨んでいる人ではないかと推測され、現在、グリーン弁護士が担当した裁判に関わった人たちをを調べている。
グリーン弁護士の夫、FBI捜査官のマイク・グリーン氏も△日に行方不明になり、グリーン氏の行方を追っている』」
「そんな……」
「可哀想……」
蘭はショックで、口に手を当てて、歩美は少なからず理解して、悲しい表情になった。
コナンはこの記事を読み上げてるときから、ずっと下を向いている愛理を見つめた。
(彼女は知ってる。愛理の母親を殺害した人物と父親のFBI捜査官が消えた理由を……)