二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONEPIECE×青の祓魔師 ( No.155 )
日時: 2012/02/02 18:10
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/index.html

第十話「本当の友達」

風呂場からの悲鳴はあらゆる場所に届いた。

「今の…神木さんと朴さんの悲鳴!?」
「なんで風呂場から!?」
「まっ…まさか…」

志摩が顔を青くして震えた。
そして叫んだ。

「誰かがあの二人の入浴中に覗きに行ったんや——————ッ!!!!!」
「何ィッ!?」

サンジも真に受ける。
エロ魔人二人は一斉に光の速さで部屋から走り出した。

「あの二人、兄弟か何か!?」
「煩悩塗れやな…」

◆◆◆

トナカイ本来の姿になったチョッパーが全速力で走る。
彼は《ヒトヒトの実》を食べたトナカイで、人の知能を得て3つの変形をする。
ルフィは仲間に誘った理由も《変形面白トナカイ》という事。

「…あれは」

チョッパーの目に立ちつくしているしえみが写った。

「しえみ!」
「え、鹿!?」
「トナカイだッ!!というよりおれだ!!!」

しえみは何かを持っていた。
買いたてのフルーツ牛乳。
彼女がそんな物を飲む訳がない。
買った理由はただ一つ。

「また出雲に買わされたのか?ソレ」
「買わされたんじゃないの!!お友達のた「友達じゃねェよ!!!そんなの!!!」…!!」
「友達なら…本当に信頼しあってる筈だッ!
じゃなかったらしえみが独りでここにいねぇよ!!」
「——…!!」

しえみは数分前のやり取りを思い出した。

3人で風呂場に入ろうとした時、出雲が冷たい視線でこう言った。



—だってあたし、あんたに裸見られたくないだもん。


「おれ、先に行ってるぞ!!」
「あっ…」

しえみは走って行くチョッパーに手を伸ばした。

「待って…二人とも…置いてかないで!!」

◆◆◆

「紙を破け!」

風呂場では何故か《白狐》に出雲が襲われていた。
その瞬間、燐が2体を殴ったのだ。
燐に助けられた出雲は言われた通り紙を破いて、《白狐》を消した。

「燐!!」
「「鹿!?」」
「トナカイだ!!」
【ヴォブブウブ】
「なんだあれ!?」

目の前には、人の死体に憑依した悪魔《屍》がいた。
その下には倒れた朴が…。

「燐!!頼む、アイツを引き付けてくれ!!」
「お、おおい!!」

カンタンに言いやがって、と吐き捨てた後《屍》に向かって燐は走り出した。
しかし—

【———】
「!?」

謎の言葉を発する《屍》に気を取られ、頭を握られて風呂場に放り投げられる。

「これ…魔障か?」
「《屍》の魔障よ…!数分で壊死するわ!!」
「じゃあ早く処置をしねぇと!!」
「チョッパー君!!」
「しえみ!!」

全速力で走ってきたしえみは息を荒げていた。

「朴さん…!火傷みたいになってる…!!」
「そうだ!!火傷の応急処置にはアロエが必要なんだ!!でも今は…」
【二ー!】

戸惑っている二人の前に、《緑男》こと二ーちゃんが現れた。

【二ィィ—!!】

“ニョキニョキィッ!!”

二ーちゃんの体からはトゲトゲとした葉のつく植物、アロエが生えた。

「二ーちゃん!!これサンチョさんだよ!!」
「いやそれアロエでしょ!!」

一方、燐は《屍》に苦戦していた。
いや—戦えなかった。

その理由があるのだ。

(だめだ…こいつ、素じゃ敵わねぇ…!!
もう…限界…)

刀に手を伸ばした瞬間—

「兄さん!!!!」

“ドドドドドッ!”

冷や汗を掻いた雪男が場所に到着した。

「雪ちゃん…」
「出雲ちゅわーん!!朴すゎーん!!!」

風呂場には叙所に仲間達が集まって来る。

「この魔障は処置が遅れると命取りになる可能性があります。
チョッパーさんの処置は正しいですよ」
「いや…おれのお陰じゃねぇんだ」
「え?」
「しえみがいなかったら、応急処置のアロエが手に入らなかったもんな!!」

いきなり褒められたしえみはおどおどとし始める。

「杜…山…さん…」

倒れた朴が小さな声でこう言った。

「ありが と」
「—うん!」

◆◆◆

一件落着した所でナミは部屋に戻ろうとした。
その視線が不意に下ろされた。

「見ないで!!」

出雲が怒鳴った。
頬に涙を流して。

「こんな姿…誰にも見せられない!!」

数分前、出雲は朴から言われたのだった。

塾をやめると。

—真剣な人をバカにするのは私は好きじゃない。

「たった一人の親友を救えなかった…嫌われた…!!」

泣きじゃくる出雲にナミは口出しができなかった。
その静寂を打ち破ったのは

“バサッ!”

「!!」
「それ来てさっさと行け!!」

燐が自分のシャツを下着姿の出雲に放り投げた。
ナミはその姿を見て、小さく微笑んだ。

「燐——!?どうしたんだその格好!?」
「な、なりゆきで…」

———

「ツンデレ?」
「あかんえ」
「やめさいよ!!」
「戦えない!」

第十一話「一人の喧嘩は皆の喧嘩」に続く

今回の裏

ナ「あんた、その格好どうすんの?」
燐「なぁ」
ナ「何?」
燐「そのシャツ貸してく
ナ「変態か!!!」ブフォ!!」