二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ONEPIECE×青の祓魔師 ( No.177 )
- 日時: 2012/02/20 19:45
- 名前: サリー ◆qbNb6Ma0MY (ID: ZjIbjScL)
第十一話「一人の喧嘩は皆の喧嘩」(後編)
「はぁ?4行も覚えられん奴に言われたくないわ」
勝呂は挑発的に言い返す。
すると、出雲は立ちあがってこう叫んだ。
「あたしは覚えられないんじゃない!!覚えないのよ!!
詠唱騎士なんて、詠唱中は無防備だから班(パーティ)にお守りしてもらわないと、
ただのお荷物じゃない!!」
「なんやとぉ…!?詠唱騎士目指してる人間に向かってなんや!!」
「何よ!殴りたきゃ殴りなさいよ!!」
喧嘩が始まり、志摩や子猫丸は必死に止めようとするが止まらない。
「だいたいお前は気にくわへんねや!!
人の夢を笑うな!!」
「あ——!それおれが言「黙っとれ!!」ハイ…」
「あんな冗談笑う以外にどうすればいいのよ!!」
「じゃあなんや、お前は何が目的で祓魔師目指してるんや…あ?いうてみ!!」
「目的…?」
出雲は過去を思い出すかのように黙った。
そして口を開いた。
「…あたしは他人に目的を話した事がないの!
あんたみたいな目立ちたがり屋とは違ってねっ!!」
「—この!!」
勝呂は出雲の胸倉を思いっきり掴んだ。
負けじと彼女も勝呂の胸倉を掴もうとした途端—
“バンッ”
立ち上がろうとした燐に衝突した。
「喧嘩なら他所でやれ——————————————ェッ!!!!!!!」
◆◆◆
太陽が空から消え、代わりに三日月が現れた。
「皆さん、少しは反省しましたか?」
雪男が《囀石(バリヨン)》という人間が持つとどんどん重くなる
石のような悪魔を膝に乗せた一同に聞いた。
「なんで俺らまで…」
「こっちは被害者だぞ!!」
「連帯責任ってやつです…この合宿の目的には“学力強化”の他に
“塾生同士の絆を深める”というものもあるんですよ」
「こんな奴等と慣れ合いなんてごめんよ」
「慣れ合ってもらわなければ困る」
雪男は黒ぶち眼鏡の位置を直してこう言った。
「祓魔師は1人では闘えない!!」
そこをよく考えてくださいと言った後、彼は腕時計を見た。
「では僕は今から3時間程、任務で外します。
しかし昨日の《屍》の件もありますのでこの寮の全ての出入り口に施錠し強力な魔除けを施して行きます。
僕が戻るまで3時間、皆で仲良く頭を冷やして下さい」
“バタンッ”
扉が閉まる音が鳴り終わった瞬間、一同の雪男への評価は「鬼」となった。
「つーか誰かさんの所為でエライ目に」
「はぁ!?あんただってあたしの胸倉掴んだでしょ!!」
「このクソトサカが…グチグチと同じような事を…!!」
「おう、眉毛繋がりで助けてやってんのか優しいな」
「なんだとこのマリモヘッド!!」
「また微妙に俺を挟んで…!!」
「やかましいあんたら!!!うるさい!!!」
“ボカボカボカボカッ!!!!”
堪忍袋の尾が切れたナミが喧嘩していた4人と何故か燐の頭にたんこぶを作った。
その瞬間—
“フッ…”
停電が起こった。
「きゃあああああ!!!」
「ぎゃぁああああ!!!」
ビビったしえみとウソップの悲鳴が響き、志摩が急いで携帯の電気をつけた。
外の家の明かりはついている。
停電はこの建物だけだ。
「俺ちょっと見てくるわ」
「志摩さん、気ぃつけてナ」
「俺こういうハプニングワクワクする性質なんよ。
リアル肝試し…」
扉を開けた志摩の顔が笑顔のまま止まった。
「なんや夢やろか…」
目の前には、嘘とも言ってほしい光景があった。
大量の《子鬼(ボブゴブリン)》、そして《屍》が2体いたのだった。
“バギャ!!”
《屍》は扉を突き破って入ってきた。
そしてその頭が膨らみ——
“ボンッ!”
———
「囮って…!!」
「三本!?」
「お前は…」
「任務完了」
次回第十二話「裏切り手騎士」に続く