二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONEPIECE×青の祓魔師 ( No.206 )
日時: 2012/03/21 12:01
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?774213

第十二話「裏切り手騎士」

寮の部屋の外の片隅に一人の男がただずんでいた。
20辺りで白い長髪、そして服装は悪魔を祓う者——祓魔師の服装だった。
しかし、男は小さな悪魔に囲まれていた。男は何にも動じず、
その場で小さく笑い、こう言った。

「任務完了」

◆◆◆

“ニョキニョキニョキィッ!!”

一瞬にして部屋は木の根っこに包まれた。《屍》の頭が破裂した瞬間、
二ーちゃんが“ウナウナ君”を出したのだ。
しかし、異変はそれだけではなかった。

「うっ…」「ゲホッゲホッ!!」「あ 熱い…」「クラクラする…」
「ど、どうしたんだ!?」

燐が叫んだ。
破裂した時に飛び散った物—《屍》の体液がかかり、その症状が現れたのだ。

「なんとか杜山さんのお陰で助かったけど…
体力が尽きたらこのバリーケードも消える。その時は——」
「死ぬわね」
「そんな平然とした笑顔で言うなよロビン!!」

今、この部屋は暗闇に覆われている。
暗闇で活発化となる《屍》にはうってつけの環境だ。
その上、《屍》は2体。
たとえ訓練生が闘っても勝ち目はない。

「ど どうするよ」
「俺が囮になって外に出る。2体とも俺について来たらその隙に逃げろ」
「囮って…!?」

体液を被っても、立ち上がり燐は危険な意見を言った。

「俺の事は気にすんな、そこそこつえーから」
「お、おい!!」「奥村!!」「戻って来い!!」

しかし、彼を呼ぶ声は《屍》の唸り声と木が折れる音に消されていく。

“ボゴッ!!”

壁が壊れる音が大きく鳴った。
燐の作戦はうまくいった—かと思われた。
まだ残っていた。《屍》だけではなく《子鬼》の大群まで…。

「燐!!」
「ちょぉ!!ルフィさん!」

ルフィも燐の後を追った。
そんな二人を見た勝呂は、体力を使うしえみを見て言った。

「このままボーッっとしてられへん!!
詠唱で倒す!!」
「倒すって…アイツの致死節知らんでしょ!?」
「知らんけど《屍》系の悪魔は“ヨハネ伝福音書”に致死節が集中しとる。
俺はもう丸暗記しとるから全部詠唱したらどっかに当たるやろ…!」
「全部!?20章以上ありますよ!」
「21章です」

驚く志摩の声を妨げるように子猫丸が言った。

「僕は1章から10章まで覚えてるんで手伝わせて下さい…」
「頼むわッ!!」
「杜山さん!!危ない!!」

バリケードから抜け出した20体の《子鬼》がしえみに襲いかかった。
一同からは距離が遠い。
塞げない—


“キィンッ…!”


「!」

次の瞬間、しえみの視界に映ったのは刀1本で《子鬼》を止めたゾロであった。

「悪ィな。コイツは手が放せねェ状態だ…相手なら—」

間たたく合間に《子鬼》は真っ二つに斬れて、その残骸がボトボトとりに落ちた。

「おれ達が受けて立つが?」
「てめぇマリモ!!」
「うぉッ!何すんだてめぇ!!」

何故かキレているサンジがゾロに蹴りかかり、また喧嘩が始まった。
「こんな時まで…」と京都3人組は呆れた。
が、どんどんとバリケードから《子鬼》は抜けだし襲いかかって来る。
喧嘩中の二人は《子鬼》に向かって叫んだ。

「「うるせぇっ!!!!」」
(((ええええええええ—————!!??)))

もうお互い相手しか見えていない。
サンジは天井ギリギリまで高く飛び、回転しながら1本足で《子鬼》まで蹴り下ろす—

「“串刺し(プロシェット)”!!」

強力な足技の使い手に踏まれた悪魔は血を出して潰れた。

「どーだ!?おれの方が大量に倒したぜ!!」
「あぁ!?」

今度は倒した数で競い合っている。
しかし《子鬼》からして獲物は2匹だけではない。

「うぉお!!こっちに来た!!」

悪魔が口を開け、巨大な牙で獲物を噛み砕こうとしたその時、《子鬼》の動きが止まった。

「なんやアレ!?《子鬼》の体から手が生え取る!?」

せき込んでいた勝呂が叫んだ。
《子鬼》は手の持ち主を感じ、睨んだ。
その人物は—始末の言葉を発した。

「十二輪咲き(ドーセフルール) クラッチ!」

“ボキボキボキィッ!”

骨が折れ、地に落ちていく《子鬼》を見てロビンはフッと笑った。
彼女は“ハナハナの実”という体の一部を『咲かす』
—移転させるという悪魔の実を食べたのだ。
その咲かせる数、場所を厭わない。

「あたしだって!!」

ナミは立ちあがり制服のポケットに手を入れた。すると、表情が固まる。

「…きょっ教室に忘れてきちゃったみたい(テヘッ!)」
「なに————————————————————!!?」
「100%あたしの過失だけど、カワイイから許してね☆」
「許すか!!」「坊、許したりましょ!!」「お前は黙っとけ!」
「ナミ!」

いつも下げている鞄からウソップが何かを取り出し、ナミに投げた。

「天候棒(クリマ=タクト)!」
「こんな事もあろうかと持って来た!思う存分戦え!」
「了解!“サンダ—=チャージ”!!」

ナミの天候棒の上にある玉に電気がほとばしり、回転する。

「いくわよ…“風速計(スイングアーム)”!!」

当たった《子鬼》は感電し、黒コゲになって倒れる。

「す…すごい…」「っていうかアイツ使い魔いらないでしょ!!」

一味の強さに出雲達は呆気を取られた。
しかし、《子鬼》の大群は休むこと無く現れる。