二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ONEPIECE×青の祓魔師 ( No.21 )
- 日時: 2011/11/03 20:00
- 名前: サリー (ID: ZjIbjScL)
第四話「父さん」
「はい。雪男です。どうかしましたか?」
「や・・どどうしましたかじゃねーだろ!!
お前がどうしたの!?」
突然の雪男の登場に燐は焦るばかりだ。
「僕はどうにもしてませんよ。授業中なので静かにしてくださいね」
「!?」
「なあ、雪男!お前、15才だろ!?
何で先生なんか・・・・?」
手を上げたウソップが質問した。
雪男は表情を変えず、笑顔で説明した。
「お察しのとおり、僕は皆さんと同い年の新任講師です。
ですが、悪魔払いに関しては僕が二年先輩ですから
塾では便宜上『先生』と呼んで下さい」
すると雪男は手を上げた。
「まず、まだ魔障にかかった事のない人は?
手を上げて下さい」
「ましょう?」
ルフィが首を曲げた。
「ナミの事か?」
「どういう事よ!!」
ガンッ
「魔障というのは、悪魔から受ける傷や病の事。
魔障にかかるとそれ以降、悪魔が見えるようになるのよ」
「じゃあ、ゆ—・・先生も魔障にかかったのね」
「ええ。彼は歴代最年少で祓魔師の資格を得た
対・悪魔薬学の天才よ」
3人が手を上げた。
「3人ですね。
実はこの教室、普段は使われていません。
鬼族という悪魔の巣になっています」
「だ、大丈夫なんですか・・・?」
ショートカットの少女が不安そうに言った。
「大丈夫です。鬼の類は人のいる
明るい場所には通常現れません」
そう言って雪男は教卓の引き出しを開け、
血の入ったビーカーを取り出した。
「今回はこの鬼が凶暴化する腐った血を
好物の牛乳で1/10に薄めたものを使って
儀式を手伝ってもらいます。
準備ができるまで皆さんは待っていて下さい」
雪男がフラスコに牛乳を注いだときだ。
ドンッ
「おい!」
いきなり燐が教卓を叩いた。
「何ですか?」
「説明しろ!」
「授業中ですよ・・・。席について」
「ふざけんな!!!」
燐の叫びに全員が驚いた。
すると雪男は誰にも聞こえない小さな声で何か
燐に伝えた。
「・・・じゃあ、なんでおれに言わねーんだ!!!!」
燐に腕を掴まれた雪男は手を滑らせ—
ガシャン!!
ビーカーが地面に落ちた瞬間、強烈な匂いが漂った。
バガッ
「きゃあ!」
天井が崩れた。
「悪魔!」
「え!?どこ!?」
「こいつ、あの猿悪魔!」
無数の『子鬼』が鳴き声を上げながら、女子生徒を襲う。
ドドン
「きゃあ!」
銃声と共に、子鬼は地面へ落ちる。
「教室の外へ!奥村君も早く・・・」
けれども燐は、そこから動かず扉に蹴りを入れた。
「なんなの・・・アイツ」
少しナミが苛立っていた。
なぜあの男はあんなに怒っているのだ・・・?
「ん?・・・おい、ルフィはどうした?」
『えっ?』
「・・・」
ナミに殴られたルフィは机の下にいた。
「あいつらは!?」
さっきまでいた仲間達がいない。
「—ダメージがない限り」
外から聞こえたのは雪男の声だ。
「何か言ったんじゃないの?」
「お・・俺は・・・」
戸惑う燐の声。
「父さんに弱みがあるとしたらそれは・・・」
「?」
いきなりの事ばかりでルフィは混乱した。
第一、なんでこの二人だけが残っているのだ。
「兄さんだ。兄さんが父さんを殺したんだ」
「・・・俺は・・・お前の言うとおりだからバカだ。
けどな・・・兄に銃なんか向けてんじゃねぇ!!!」
燐はバックに入っていた剣を引き抜いた。
すると燐の体から炎が発火した。
「兄弟だろ!!!
・・・俺はジジイを殺してない。気持ちで
俺を許せねェのはわかるが・・イミあんのか?
撃って気が済むなら撃ってみろ!!
撃て!!!」
燐は剣を雪男に振りかざした。
雪男は燐に銃を撃った。
その瞬間—
「『ゴムゴムのW銃!!』」
「!?」
机の下にいたルフィが二人を殴った。
「お前・・・」
「なんでだよ・・・」
「え!?」
「なんで兄弟で戦うんだよ!!
家族だろ!!!」
彼の瞳は怒りが混ざっていた。
意味のない戦いを兄弟でしたからだ。
「雪男!!後ろ!!!」
巨大な『子鬼』が口を開き、雪男を噛み砕こうとしていた。
「邪魔だぁ!!!!」
ルフィが『子鬼』を睨んだ瞬間、『子鬼』は泡を
噴き出し倒れた。
(覇王色の覇気・・・!)
「おい、燐。お前は、雪男と戦いたいのか?」
二人は見つめ合った。
燐は、剣を鞘に戻して言った。
「見くびんじゃねぇぞ。
俺は弟とは戦わねぇ」
「・・・」
雪男はしばらく黙った。
「・・・父さんの最後はどんなだった・・・?」
「・・・・カッコよかったよ。
俺を守って死んだ。
祓魔師になろうと思ったのも復讐とか
そんな難しい事なんかじゃねーんだ。
俺はただ強くなりたい。
俺の所為でもう誰かが死ぬのは嫌だ!」
その言葉を聞いた雪男は、ほほ笑んだ。
「それなら、僕も一緒だ」
「?」
「ぼくもただ強くなりたくて祓魔師になったんだ」
ルフィは仲直りをしたのをうれしそうに笑った。
「お前ら、そろってバカ兄弟だな!」
「兄さんと一緒にしないで。
あとルフィ君」
「なんだ」
「兄さんの青い炎の事は誰にも言わないで」
もの凄くまじめな顔で雪男は、ルフィに言った。
「六○二号室ってここか?」
その後、ルフィは男子寮へ行った。
「お、燐!雪男!!」
「ルフィ!」
「ルフィ君」
「お前らも一緒なんだな—」
「うん。それじゃあ、今日の課題を片付けちゃおうか・・・」
「か、かだい?」
そして、その寮の部屋は電気が消える事は無かったという・・・。
———
「たけえええ!」
「天女か・・・?」
「私、杜山しえみ」
「根だ・・・」
第五話「花園のしえみ」に続く
———
今回の裏
ル「ぐおおおおお」
雪「兄さん・・・助けて・・・」
燐「俺も眠れねーよ・・・・」