二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONEPIECE×青の祓魔師 ( No.34 )
日時: 2011/11/18 22:31
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)

第六話「おとぎ話の探し物(前半)」

『しえみは花や草が好きかい?』

おばあちゃんは優しい人だった。
外が嫌いな私に色々な事を教えてくれた。
天空の庭の事も。

『おばあちゃん、いっしょにいこ!』

でもおばあちゃんは首を振った。
もうこの年だし、宝物の庭をほって置けないと言って。

『しえみが大きくなったら行っておいで』

その数年後。
大きくなって、お金を貯めた私は天空の庭を探す事にした。

『行っておいで!』

笑顔でおばあちゃんは、私を送った。

その夜。
あまりお金がなくて、近場しかいけなかった。

『おばあちゃん・・・?』

おばあちゃんはなぜかつる棚の下敷きになっていた。

『私・・・どうすればいいの?』
【この庭を守らなきゃ】

誰かが私に語りかけた。
自分はこの庭を守れると。
自分はこの庭の妖精だと。
自分に力を貸してくれないかと。

『力ならいくらでも貸すよ・・・だからこの庭を守って!!』

妖精は微笑むように言った。

【一生一緒に守ろうね】


「!!!」

しえみは起きた。
ハァハァ息を直しながら。

「どうだい?」
「?」

横を見ると、椅子に座ったサンジがいた。

「なぁ、しえみちゃん。オールブルーって知ってるか?」
「・・・?」
「オールブルーっていうのは、世界中の海の生物が集まる場所の事だ。
天空の庭の海バージョンってところか。
いずれも、おとぎ話って言われてるがな。
おれは、その海を見つける事が夢なんだ」
「でも、おとぎ話じゃ・・・」
「じゃあ、なんでしえみちゃんは天空の庭を信じてんだ?」
「・・・!」
「信じてるから行きてぇって言ってんだろ。
・・・おれもそんな時はたくさんあったよ」

ダンッ

「大丈夫か?」

そこには燐とルフィが立っていた。

「しえみ。か—ちゃん心配してんぞ」
「・・・!
なんで・・あなた達にそんな・・・ひどいのはお母さんだもん!!
私は・・おばあちゃんの庭を守るって決めたの!!」

その言葉で燐とルフィの顔が悪魔のように豹変し、庭へ向かった。

ブチィ

二人はバラを引きちぎったり、パンジーを蹴り飛ばしたりした。

「やめて・・・やめてよ!!!」
「しえみちゃん!!!」

魔障にかかった足を引きずりながら、しえみは燐の足にしがみ付いた。

「じゃあお前は何に縛られてるんだ!!」

燐が大声を上げて一喝した。

「だって・・・私が早く帰って・・・外へ行かずにつる棚を手伝っていれば—
おばあちゃんは死ななかった!!
私のせいでおばあちゃんは死んだ!!」

彼女は亡き祖母に約束したのだ。
『庭は何があっても必ず守る』と—

「だったら、母ちゃんに心配かけないでやれ!!!それができないんだったら
やめろ!!それに—
お前が本当にやりたいのはアマハラの庭を探す事だろ!!
それとも、お前のばあちゃんはそーゆーお前に行くなっていうのか?」

しえみは涙目になりながら首を振った。

「しえみ。
もしこの庭がお前の夢を邪魔するんだったら、
おれがこの庭をぶっ壊してやる!!!!」

真っ直ぐな瞳でルフィはそう言った。

「ううう・・・うわああああ!!!
私・・バカだ・・・!!もう足が動かないよ!!!」
「そんな根っこオレがぶった切ってやる!!!」
「あっという間に祓えますよ」

盛り上がっている中、澄んだ声が一つ入った。

「雪男!?いつの間に!」
「しえみさん。あとは貴方の心です」
「雪ちゃん・・・」

【約束を破る気・・・?】

しえみの足がぶくぶくと膨らんでいき、形を変えていった。