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【十面相】　　最終回　　　【気付けば学パロ】


「私の中の十人は、みんなもう気が付いていたわ。」

「…。」

「自分が何のために生まれたかなんて。
貴方の愛を手にするために生まれたら、もう役目はないわ。
ここで私は終わるの。」

「なんで…？」

「だって、貴方は誰も愛してくれないのでしょう？
これ以上人格を増やすのは体に負担がかかる。
これ以上は望んでも無理なの。」

私は笑う。

「最後にみんなで笑うわ。そして、ホントの私が帰ってくる。」

彼女は少し悲しそうな顔をした。

「…ただいま。」

「おかえり。」

ルビー君は抱きしめてくれた。

「…私は元の、おとなしい子よ？」

「いいよ。ホントはずっと好きだった。
でも、言えなかったんだ。」

「…。」

「一度だけ言うね、アリサ。」

胸が高鳴る。

「僕はアリサが好きです。」