二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 鬼灯の冷徹・APH:愛情をたくさんあげる ( No.15 )
- 日時: 2011/11/11 21:48
- 名前: 千李 ◆2wQbNMYBsg (ID: rCT1hmto)
第二話
「う、あー」
「可愛いなぁ……」
「おいこらフランシス、俺にも抱かせろ」
「俺も抱きたいんだぞ!」
「我も抱きたいアル!」
「おやおや……」
サエリをみんなに紹介して数十分が過ぎた、まだ幼いサエリを見た瞬間にみんな顔を赤くして一気にサエリに群がる。
現在状況はフランシスが椅子に座ってサエリを抱っこしている、首がまだ座っていないサエリは横に抱かれてフランシスの細長い指を小さな手で包んでいる。
それを見てフランシスはデレデレ気味、アーサーやアルフレッド、ヤオ等は早く抱かせろと急かしている。
「ヴェー、一気に人気者だねぇ……」
嬉しそうな顔でフェリシアーノは言葉を発した、大事な妹がこんなに早く好かれるなんて思っていなかったから嬉しさが倍増しているのかも知れない。
「良かったじゃ無いかフェリシアーノ、すぐにみんな輸入とかしてくれるだろう、近いうちに貿易も結ばれるかもな」
「ヴェ、そっかぁ……ちゃんと考えてやって欲しいなぁ、すぐに独立するかもねぇ」
貿易をする事によってメリットとデメリットが大きい、成功すれば一気に大国になるかも知れないけど失敗すれば戦争になったりしてしまう、それをふまえてフェリシアーノは自分なりに色々教えようと心がけていた。
「今はまだ頼れる奴はお前とロヴィーノしかいない、頑張れ」
ルートが笑いながら言うとフェリシアーノもふっと笑みを浮かべる、するといきなりアルフレッドが。
「何だ? サエリ俺の指を咥えて離さないんだが」
その声に気付いたフェリシアーノとルートはサエリの元へ行き現状を見てみると、サエリはアルフレッドの手を小さな手で握って一本の人差し指を口に入れてチュパチュパと咥えている。
「ヴェー? どうしたのサエリ?」
「アルフレッドの指が美味いのか?」
「そんな事ないだろ」
「ちょっと待って、これ、お腹減ってるんじゃないの?」
アルフレッドの腕の中にいたサエリを見てフランシスが言った、するとみんなキョトンとした表情を見せている。
すると菊が何かに気付いたように。
「ああそういえば、赤子はまだ幼い時はお腹がすくと何かを咥えたり食べたりしますよね」
「ヴェ、そうなんだ! 菊物知りだね!」
「そんな事はありませんよ」
「だが何を飲むんだ? ミルクなんてあるのか?」
「ちょっと待ってて下さい、作ってきます」
すぐさま菊が言葉を発して会議室から出て行った、暫くするとどこにあったのか哺乳瓶を持ってきた、中には真っ白い液体が瓶一杯に入っていた。
アルフレッドからサエリを受け取ると椅子に座ってサエリの口元に飲み口を近づけた。
するとサエリはそのまま飲み口に口をつけて一気にミルクを飲み始めた。
「飲んでるな……」
「お前すげぇな……」
「そんな事はありませんよ」
「にしても凄い勢いで飲むアルね……」
見る見るうちに哺乳瓶の中身はサエリの口へと吸い込まれて気が付けば全部飲み干していた、菊はサエリの口元を指で拭うとそのまま立てに抱き上げて背中をトントン、とリズム良く叩き出した、するとある事に気付いたアーサーが。
「おいまだ首が座ってないのに平気なのか?」
「ゲップをさせてあげるんです、まだ乳児とかは自分の力じゃ出来ないからこうやってご飯をあげた後に背中を叩いてゲップを出させてあげるんですよ、そのままゲップさせないでいると嘔吐しちゃいますから」
ニコッと笑みを浮かべて菊は言った、すると小さく「くっ」とサエリが小さくゲップをした。
それに気付いた菊はサエリの頭を撫でて「全部飲みましたね、偉いですよ」と笑みを浮かべた。
「そういえば何で菊サエリにミルクあげた時俺達の方を見なかったの?」
フェリシアーノが小首を傾げて問うと菊は笑みを崩さないまま。
「ミルクとか母乳している時はちゃんと赤ちゃんの目を見るんです、そうする事で赤ちゃんが安心したりコミュニケーションにもなるんですよ」
「へぇー、そうなんだ!」
「他にも飲んでいる時に話しかけたりしてあげるのも良いんですよ」
菊から色々な知恵が喋り出されてみんな関心しながら聞いていた、さすがは長年生きているだけあるな、とみんな心の中で思っているのだ。
「今度皆さんで生活用品とか買いに行きましょうか」
菊がそう言うとみんなコクリと首を縦に動かした。
【愛されています】
(どんな物を買えば良いの?)
(ミルクとか? 店で売ってるのかい?)
(買う時になったら教えてあげます)
続く