二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.234 )
日時: 2012/04/21 14:13
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 三十二話「監督代理」

「ちょっと!!どういうことですかっ?!」
イナズマジャパン宿谷ではかがりの怒鳴り声が響いていた
その声を聞き皆がかがりを見る
「ですが、急すぎです!何を考えているんですか!」
かがりは電話相手に強く言う
「〜っ!わかりました」
かがりは電話と切ると頭を押さえる
「ったく。どうなってるのよ…」
怒りを押さえるような厳しい声で呟く
「どうしたの?」
秋が聞く
「どうしたもこうしたもないわ!アルゼンチン戦の日時が変更されたっ」
「えっ?!変更?」
風丸が聞き返す
「そうよ…なんでも今日の3時からだそうよ」
不機嫌そうに言う
「今日って」
「今、何時だ?」
「1時です」
染岡の問いに春奈が答える
「あと2時間しかねぇじゃねぇか」
「何かの間違いじゃないんすか?」
壁山が聞くと
「間違いじゃないみたいですね」
春奈は自分のパソコンを皆に見せる
「本当だ!今日になってる」
パソコンの画面には『本日の試合 イナズマジャパンVSジ・エンパイヤ』と書かれていた

「そんな無茶苦茶な」
「それで円堂たちは帰ってきたのか?」
「それが…まだなの」
風丸の問いに秋が言う
「かがりさん秋さぁん!」
冬花と目金が走ってくる
「監督は?」
秋が言うと
「それが、どこにも居ないんです。響さんもいません」
「昨日の話からすると円堂君たちと一緒なのかもしれません」
目金が言うと
「それは、違うわ…大会本部に呼ばれたのよ…監督だけが行くと思ってたのに。響さんまで行ってたなんて」
かがりが言う

「どうする、風丸」
豪炎寺が聞く
「あぁ…」
沈黙が流れる
「行くしかないだろ」
「「えぇ?!」」
風丸の言葉に驚きが走った
「試合に遅れるわけにはいかないからな」
「俺たちだけで戦うでやんすか?」
「そんなの無理っすよ。キャプテンも監督もなしで戦うなんて!」
栗松と壁山が言う
「心配すんな。円堂たちなら必ず来るさ。そういう奴だろ」
染岡の言葉で安心感が生まれた
「そうよ。それに…監督代理ならあたしがするわ」
かがりが言う

「よーし!皆行くぞ!」





「試合は3時から。お前たちなしでどこまで戦えるかな?」
影山が言う
「影山。まさか…お前が試合日程をっ?!」
鬼道が言う
「ここでイナズマジャパンが負ける姿を見ているんだな」

「まだ時間はある…」
そらが呟く
「そうだ!時間はまだあるんだ!行くぞ」



「そうか。2時35分の船の乗れば3時前にはヤマネコ島に到着するんだな」
フィディオは電話相手に確認する
「…間に合う可能性はまだあるっと事だね」
そらが言う
「ありがとうフィディオ何とか間に合いそうだ」
円堂が言う
「ありがとう…だなんて元はと言えば俺たちのせい」
「それは違うよ」
そらが言う
「あぁ。すべては仕組まれていたんだ。俺たちが影山を見た瞬間から」


「かがり?大丈夫」
そらは電話をかける
『大丈夫かって言われればそうじゃないかもね』
「そう…でも貴女が頼りよ」
『任せな。無様なプレーはさせない』






「キャプテンたち来ないっすね」
「試合日程が変わった事、知らないのかな」
不安がよぎる

「あいつらならきっと来る…だからちゃんと体動かしておきなさい」
そう言いかがりが姿を現す
いつものとは違うブレザーのようなスーツに身を包んだ姿で



「これなら、間に合うな」
フィディオが言う
「この先が港だ!」

「これはっ?!」
バスは止まる
「どうしたんですか!」
「事故みたいだ」

その声を聞くとそらはすぐに外にでる
「…行くぞ!」
円堂が言う

6人は走るが、船はあと1歩のところで行ってしまう

「そんなっ!」
「…(あれは)」
そらは港にあったあるモノを視界にいれた




時間は過ぎ2時57分
「両選手グランドへ!」
審判の声が響く

「どうするんですか…風丸さん」
風丸が視線を下へ向ける
「…やるしかないのよ」
かがりが言う
「あぁ。やるしかないんだ」
「かがり。豪炎寺」
「でもさぁ…キャプテンも監督もなしで」
木暮が言う
「だからどうした?キャプテンキャプテンってお前らだって日本代表のメンバーだろ」
綱海が言う
「「「!!!」」」
「だったら意地をみせてみろ。意地を。それに監督代理がいんじゃねぇか」
綱海はかがりを見て言う
「アンタたち。あたしじゃ不満?」
「い、いえっ!!」

「アンタたちは、ここにいない…吹雪や緑川。ここに来たくても来れなかった奴らの思いを背負っているの」
かがりが言う
「その思いに今応えなくていつ応えるんだ!」
「「「…」」」
「なーんてな。乗りかかった波は超えるしかないだろ」
綱海が言う
「乗りかかった“船”だけどね」
かがりが小さく笑いながら言う


「風丸。これ」
かがりは風丸にキャプテンマークを渡す
風丸が試合に出すメンバーを言う
「妥当ね」
かがりが頷きながら呟く



「アンタたち、見せてやんな。アンタたちの力を!」