二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.247 )
- 日時: 2012/05/07 20:09
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
三十七話「記憶」
「冬花が病院に運ばれたっ?!」
電話相手に聞き返す様にかがり言う
「…分かったわ」
かがりは電話を切る
「だそうよ。どうする」
「私が行ってくるわ。大変な事になったわね」
そらはそう言いながら宿谷を出る
*
「やっぱり変です。監督、知ってる事を教えてください」
「…冬花には---------」
監督が重い口を開けると同時に病室の扉が開く
「冬花には昔の記憶がないのよ」
「そら、なんでここに…それに昔の記憶がないって?!」
「私が記憶を消したんだ」
円堂の問いに監督が答える
「監督がっ?」
「私は本当の父親ではない」
「冬花の本当の名前は“小野冬花”」
そらが言う
「小野…そうだった!」
円堂が思い出した様に言う
「監督は桜咲中学を辞めた後に小学校の教師をしていたの」
「ある日、私のクラスの生徒だった冬花に悲劇が起こった。交通事故で両親を失ったのだ」
そらに続き監督が言う
「ショックのあまり、食事もとれずほおっておけば死の危険性まであった…そこで医師が提案した催眠療法
監督はそれを冬花にした。悲しい過去を新しい記憶にして…生きる希望を与えて」
そらが視線を下にしながら言う
「冬花の命を救うにはそれしかなかった」
監督が言う
「(それは…きっと違う。だって、私は知っている。冬花と同じ様な状況でも…心が死んでしまっても
笑って生きてきた人たちを、私は知ってる。きっと探せば、他の可能性もあった)」
「そんなことが…それで冬っぺは俺のことを覚えていなかったのか」
「でも私は今でも悩んでいる。冬花の本当の人生を奪ってしまったのではないかと」
監督が言う
そらは冬花を見て言う
「もとの記憶が…戻ってきている。監督…次、監督はどうするつもりですか?」
うなされる冬花を見てそらは尋ねる
「円堂、お前は冬花が幸せな時に一緒にいた。だからお前といることで記憶が戻ろうとしている」
「だったら記憶を戻してあげれば」
円堂が言うと
「簡単にいわないで。私も、記憶は戻すべきだと思う。だけど…1度消えた記憶を戻す…という事は」
「-------辛いものなのよ」
そらははっきりと言う
「あぁ。記憶を戻せば、冬花はまた辛い過去と向き合わなければならない。それに耐えられなければ…」
*
「監督。きっと…近いうちに思い出しますよ」
「星宮。お前、どうしてそこまで知っているんだ」
「…ちょうどその頃、私もその病院に入院していましたから。それに…私、冬花とは昔会った事あるんです」
*
「で、冬花はどうだったの?」
「今回は大丈夫だと思う。だけど…近いうちにきっと思い出すわ」
「ま、取りあえずは一安心かな〜」
そらが背伸びをすると
「そうも言ってられないのよね」
かがりが言う
「え?」
かがりは数枚の紙を見せて言う
「…アメリカ戦で、ひと嵐来るわよ」