二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.268 )
日時: 2012/07/30 18:14
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 四十五話「ルシェ」

「やるわねフィディオ。影山の闇を、過去を、解き放った」
「楽しみじゃない。本当のオルフェウスとの試合」
厄介そうに言うかがりを余所にそらは言う

「本当に楽しそうね」




「ここは通さない!!」
「何っ!」
フィディオにボールを奪われる鬼道
その瞬間フィディオに昔の自分を重ねた鬼道

フィディオのロングシュートは円堂のイジゲン・ザ・ハンドにより防がれる



「…監督。交代しときますか」
かがりが言う
「虎丸」


ヒロトと虎丸が交代

「虎丸君の突破力、発揮できるといいんですが…」
ゆうりが心配そうに言う
「虎丸は積極的に前へ出るべきね。いや、それよりカテナチオカウンターをどう攻略するか」
「…方法がないわけじゃないわ」



虎丸が持ち込むがカテナチオカウンターによりボールを奪われシュートが放たれる
だがここは壁山、飛鷹のダブルディフェンス、円堂のいかりのてっついにより防がれる


「上手いわね。先の先まで読まれてる」
かがりが言う




「ドラゴンスレイヤー!!」
「コロッセオ・カード!!」
染岡がシュートを放つも止められる






「攻め方。守り方。全てがうまい具合に働いているね」
「えぇ。イナズマジャパン、これは…今までの様にいかないかもしれない…」
菜乃香、舞衣香が言う
「フィディオ、アイツが風を作ったわね」





「オーディンソード!!」
「イジゲン・ザ・ハンド!っ!!」
フィディオが放つシュートが決まる

「…やっぱりフィディオが問題ね」
「ねぇ、フィディオの動きって」
そらがかがりに言う
「そう。アイツの動きによく似てる」



「鬼道、フィディオの動きはお前の動きによく似てる」
豪炎寺が鬼道に言う
「何…」



「ん〜…不動君、そろそろ行けるんじゃないの?」
そらが言う
「そうね。監督」
「不動、行くぞ」
不動が立つ

「不動。伝えて…」
かがりが不動に何か言う
「あいよ」

染岡と不動が交代

「監督と代理から伝言だ。鬼道が持ち込めだってよ」



「どうして、鬼道君なんですか?」
ゆうりが言う
「それはね、鬼道君の動きは確かにフィディオに読まれている
 だけど…なら鬼道君にもフィディオの動きが読めるはずなのよ」
そらが言う
「鬼道とフィディオのプレーはよく似ている。おそらく影山に教え込まれた鬼道
 影山の目指したものを目指したフィディオ。必然的にその動きは似てきた」
付け足す様にかがりが言う



鬼道が持ち込む

「鍵はフィディオ。だけど…合鍵があるなら、その鍵を開ける事が出来る…その合鍵こそ」
「鬼道君…!」
かがりの言葉にゆうりが言う
「そういうこと」
そらが頷く



「「タイガーストーム!!」」
豪炎寺、虎丸がシュートを打つ
「コロッセオ・カード!うわぁぁ!!」
シュートが決まる




そこで前半終了



「そら…来るよ」
かがりが言う
「そう…頃合い、か」



1人の少年が現れた

「キャプテン!!」
オルフェウスメンバーが声を上げる

「来た…」
そらとかがりが立ち上がり歩き出す



「ナカタ、ヒデナカタか」
影山が言う
「初めまして、ミスターK」

話していると影山はある事に気が付く


「ルシェ…どういうつもりだ!ルシェをここに連れてくるなど!!」
影山が言う

影山の視線の先には1人の幼い少女がいた
隣には付き添う様に少年と少女
少女の方には見覚えがあった

「つらら。ありがと」
そらが言う
「ううん。大丈夫だよ」


「ルシェの願いなんです。目が見えるようになったら初めにおじさんのサッカーが見たいと」
「だからってこんなところに」
「これが…最後なんじゃありませんか」
ヒデが言う
「今日を最後に貴方の試合は見れないくなる…そうですよね」
そらが言う
「なっ…!」
「前半の貴方を見てわかりました。貴方はもう過去の貴方ではない
 それで今までを償うつもりなんじゃありませんか」
「もう、逃げることはない。自分の犯した罪からも…逃げない。そう決めているのではありませんか」
そらは静かに言う
「貴方は、サッカー恨む、潰すための手段は選ばなかった。それで沢山の人がチャンスを奪われ
 その策略に巻き込まれルシェは怪我をした。サッカーとは関係なかったのに」
かがりが言う

「引っかかっていたのでしょう?心のどこかで…。だからお見舞いもした。そしてあの子の目の病気を知った」
そらが目を伏せるようにして言う
「その目の手術に莫大な資金がかかる事も知った。貴方は手紙を書き、送り続けた
 ルシェの怪我が治っても。治療費とともに…」
続く様にかがりが言う
「どうして、そんなことを?」
そらが聞く
「ただの気まぐれだ」
影山が言う
「そうですか…本当に、そうですか?救われてたんじゃ、ないですか?ルシェのために何かすることで」
そらが顔を上げ言う
一息つきそらは続けた

「闇に囚われていた貴方。それから、逃げたかった。それから抜け出したかった
 貴方は闇の世界から、抜け出そうとしていた…!!」
そらが強く言う




わずかな沈黙が過るもそぐにかき消される

「おじさん?」

「ルシェ…」

「その声。やっぱりおじさんだ!」
ルシェが笑う
「見えるのか」
影山はルシェを見て言う
「うん!おじさんのおかげで私の目、見えるようになったんだよ」
「そうか、良かったな」
影山が言うとルシェは歩く
「おじさん。ありがとう」
近づこうとするが影山自身が制する
「ルシェ。私は君に感謝されるような人間ではない」

それに答えたのは別の人物

「誰が、決めたのですか?感謝、される側が決めることではないですよ
 誰を感謝するか、それはする側が決める事」
つららが鮮やかに笑みを浮かべ言う

「うん。おじさんは私に手術を受けさせてくれた。手紙で励ましてくれたもの!」
ルシェは言う
「私、サッカー勉強する!おじさんともっといっぱい話したいもの」
にこやかな笑顔で言う
「私には試合がある。話はあとで」
「うん!また後でね!!」
ルシェは再び手を引かれて歩く




「後半、ヒデナカタが加わって、どうなるか」
かがりが言う
「そうね」
そらは軽く笑う