二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.279 )
- 日時: 2012/12/30 16:49
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
四十八話「天使と悪魔」
「出たね。結果…」
「そうね、これで…アメリカは決勝トーナメントには行けない」
パソコンの画面を眺めながらそらとかがりが言う
「これで、日本が決勝に行ける」
*
「そらちゃん、かがりちゃん。円堂君たちが帰ってきましたよ」
ゆうりが言えばかがりが返す
「そう。でもこっちも少し手が離せないから」
「夏未ちゃんも来てます。それに、円堂大介さんのノートが見つかったと」
「円堂、大介のノート?」
かがりが少し悩む素振りを見せる
「興味深いけど、ちょっと無理ね。今は…」
そらが苦笑いをする
「ホントに面倒なことを」
かがりが小さな声で言う
「面倒で悪かったわね」
そらがかがりを睨む
「ゆうりちゃん、みんな練習始めるみたいだよ」
つららの声がしゆうりはその場を離れた
ゆうりが出ていくとかがりはそらの胸元にある藍色の石をみる
「どういうわけか全然外れないの」
「てか、それ…完璧アレじゃない」
かがりが画面を指し言う
「やっぱり?つららもなんだけど。本当にどうしよ」
そらが嘆息をもらす
「それは一旦、置いておくとして。騒がしいわね」
かがりが言う
「ん?練習してるからじゃないの?」
「いや…違う。絶対違う。これは、多分」
*
「やっぱり、いた」
かがりが疲れ切った顔して言う
「塔子、リカ!!言ってくれれば迎えに行ったのに」
そらが笑みを浮かべる
「そしたらサプライズにならないやん」
リカが言う
かがりの予感は当たり、応援に来ていたイナズマジャパンサポーターの塔子とリカが来ていた
「で、何騒いでるの」
切り替えかがりが言う
「あ、かがりさん。これ、外れないんです」
春奈が腕に付いているプレスレットを見せる
「!!」
「あら?」
「うちのもや〜」
リカが言う
そらが冷や汗を流しながらかがりを見る
「仕事、ふやすな。バカ共」
*
「ここ、ライオット島には古い言い伝えがある。それが、天界と魔界。
覇権争いをしていたけど、それは決着がつかなかった。やがて奴等は人間が力の優劣を決める物で争いだした
それが、サッカー…はぁ、バカみたい。なんで天界と魔界とか言っておいてサッカーなのよ」
かがりがため息をもらす
「かがりちゃん…結果、天界の民が勝利し魔界のトップであった魔王が封印されました
そして永かった争いは幕を閉じた。そういう言い伝えです」
かがりに続きゆうりが言う
「そして、その後天界の民も魔界の民もマグニード山に住み着いたといわれてるの」
つららが言う
「天界と魔界のサッカーか!面白そうだな!!」
円堂が言う
「だよね!!私もそう言ったらかがりに頭叩かれたぁ」
話を聞いていた舞衣香が言う
「でもって、アンタたちで問題点として挙げられるのはそのブレスレット。伝承の鍵」
かがりがモニターに古い絵を映し出す
「あ、似てる」
舞衣香が言う
「古代からの本物、ということ?」
菜乃香が言う
「そこまではわからないわ」
「ただのレプリカってこともあり得るし…でも外れないって言うのはおかしいのよ」
そらが言う
「ま、うちは構わへんで!」
「マジ?」
「害があるわけじゃないし。それに可愛いしな。そのうち取れるだろうし」
リカが言う
「取れなかったらどうする」
鬼道が言う
「人間が作ったもんなら取れるって。これ常識。な、春奈」
「そうですよ。それにカッコよくていいじゃないですか、こういうの」
春奈が笑う
「まぁ、2人がこう言ってるんだし練習を再開するよ」
そらが言う
皆がグランドに出た後
そらとかがり、そしてつららがその場に残っていた
「…ちょっと、不味いんじゃないかって思ってるんだけど」
そらが苦笑いをする
「ちょっと、なら良いんだけど」
「あれ?もしかして物凄い不味い状況なの?」
*
「夏未さん、そろそろマネージャーに復帰しませんか?」
秋が言う
「まだ、やらないといけない事があるから」
「それって何?」
舞衣香が言う
「私、これでも忙しいのよ」
立ち去ろうとすると何かに気づき声を出す
「あ、イタリアの白い流星じゃん!!」
塔子が言う
「フィディオ!!」
舞衣香が楽しそうに呼ぶ
「フィディオ!どうしたんだよ。あ、一緒に練習しないか?!」
円堂が言う
「いいね!ボールをくれ」
円堂がボールをフィディオに出す
するとフィディオはボールをパスするかのようにやや後ろにボールを蹴る
それを受けたのはアルゼンチンのテレス
次はアメリカのマークとディラン
「マーク!」
菜乃香が笑みを浮かべる
最後はイギリスのエドガー
「エクスカリバー!!」
「エドガーまで!イジゲン・ザ・ハンド改!」
「イケメン軍団や!!ダーリンを失ったうちにこんなイケメン授けてくれるやなんて、さっそくご利益がぁ」
リカが言う
「別にリカのためじゃ…」
*
「…そんなっ」
悲鳴にもよく似た声
「不味い、どころじゃないわよ。これが本当なら…」
緊迫した空気
「どうしよ。大変だよ」
「…とにかく、春奈とリカのところに行くわよ」
かがりが言う
「あれ。天気が…」
つららが言う
先ほどまで鮮やかな青空だったというのに曇り始める
「雷?今日って晴れの予報じゃ」
そらが空を見上げ言う
「嫌な予感がする。急ぐよっ!!」
*
「っ!!」
「何これ」
グランド近くでそらとつららの動きが止まる
「どういうことよ。何が起こって」
そらの胸元の藍色の石とつららの胸元にある空色の石が光り始めていた
かがりがグランドに視線を向けた
「春奈とリカのも…まさか、言い伝えは伝説は本当だったというの?!」
瞬間、大きな雷が落ちた
「誰…あれ」
菜乃香が言う
「さっきまで、誰もいなかったのに」
舞衣香が目を見開き言う
ボールポストの上に先ほどまでいなかった少年が現れていた
「随分、妙な格好をしているね」
ヒロトが言う
「て、ててて天使」
壁山が言う
「なんだよお前っ!!」
問に答えず少年は無言でボールを蹴りグランドにいた者を蹴散らす
少年はリカの目の前にいた
「迎えに来た」
リカの目を虚ろとなる
「っ!リカに何したのよっ!!」
近くに飛ばされた舞衣香がすぐに走り寄る
すると少年は舞衣香に向かって無言でボールを蹴る
「っ…あぁぁあっ!!」
舞衣香はその場で崩れた
「舞衣香っ!」
フィディオの声
「舞衣香に…リカに何するんだっ!!!」
円堂が言うが少年は今度は円堂に向かいボールを蹴る
「人間。邪魔をするな」
「ち、近づかないでっ!!」
声のした方向を見ると菜乃香が春奈を庇う様に立っていた
「どけ。邪魔だ」
「きゃっ!!」
「失せろ。ここはお前たちのような邪悪な者たちの来るところではない」
「偉そうなこといってんじゃねぇよ!お前こそ消えろ」
突如現れた黒を纏う少年
「悪魔?」
「世界は魔王と魔界軍団Zが支配するって決まってんだよ!」
「笑止。天空の使徒がお前を成敗してくれよう」
「ホントに天使と悪魔?ならっ…(そらたちだって此処にいることは危険よっ!)」
魔界の少年が春奈を無理に連れて行こうとする
「きゃあ!!」
「春奈ぁぁぁあ!!」
鬼道が走るが魔界の少年がボールを蹴り飛ばす
「お前は選ばれた。魔界にな」
瞬間、天界の少年と魔界の少年が一方方向を見る
かがりがすぐさま言う
「そら、つららっ!アンタたちはすぐに逃げなさいっ!!」
「で、でも」
そらとつららの持つ石の輝きが増す
逃げようとしたとき、すでに遅かった
大きな雷が轟き、そしてリカ、春奈そしてそらとつららが姿を消していた
「連れ去られた…」
かがりが言う
「な、なら助けに行かないと」
ゆうりが言う
「んな事言ったて何処に?」
舞衣香が言う
「いるとしたら、マグニード山…」
かがりが言う
「かがり、お前はそらとつららに『逃げろ』と言ったな。それはどうしてだ?知っていたんじゃないのか」
鬼道が言う
「そらとつららは、隠れた伝説に存在したペンダントを持っていた」
かがりが言う
「何、それ?」
菜乃香が言う
「何に使うのかもわからないし、どういう役目を持つのかもわからない」
「なんだよ。なんで黙ってたんだよ!!」
「………分からなかったから。そらに聞かれて今までずっとそれが何なのか調べて、さっきようやく分かった」
かがりが下を向く
「ただ…そらたちの身が危ないのは確かだ」
沈黙を破ったのはゆうりだった
「助けに、行くんでしょ?だったら…場所はもう分かっているのだから」
皆は一斉にマグニード山へと向かった