二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.286 )
日時: 2013/03/12 14:43
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十話「天界の使徒」

“戦いなさい”と告げたのはつらら
普段の彼女のもつ温かで優しい瞳は色を失い無と化していた

「どうして…つららちゃん」
吹雪がリカの横にいるつららを見て呟く
「“女神”って呼ばれてたわね。女神…確か儀式を執り行う者を示す言葉だったと思うけど」
かがりが思い出す様にいう
「じゃあつららが?」
円堂が聞く
「たぶん…。今のあの子の様子はあの子が“女神”として使われているって事なんじゃないかしら」






「なんでうちの運命、サッカーなんかで決められなアカンねん」
「それがココの仕来りであり、人間の優劣を決めるモノのひとつだからです」
リカが言えばつららが答える
「なんでアンタもあっちの味方やねん」



「あいつらにリカを、つららを渡すわけにはいかない。この試合、何が何でも絶対勝つぞっ!!」
円堂が声を上げる


試合は天界の使徒の優勢で始まった
「速いっ!」

「天の裁きを受けるがいい!」
セインが強くいう
「ヘヴンドライブ!!」

「イジゲン・ザ・ハンド改!うわぁあ!!!」

セインの放つシュートがゴールに突き刺さる


「先制点、とられた…」
舞衣香が言う
「取り返そう」
フィディオが舞衣香に言う
「絶対にっ!!!」


その後、舞衣香のアシストでフィディオが1点を入れ同点になる

「…ここは任せておくか」
かがりが呟きその場を離れる
だが、それに気づいた者はいなかった




塔子がザ・タワーを使いゴールを守る
だが、それでもシュートの嵐
天界の使徒の優勢はかわらない


「なんで、諦めないんですか」
「何がや」
突如、口を開くつらら
「どう見ても、我々の優勢。貴方方がどう足掻こうが何も変わらない。なのにどうして」
「…アンタ。つららのくせに分からんのか?」
「………否、我は女神。儀式を執り行う者」

「…。アンタは、何も感じんのか。本当に、あいつ等のプレー見て何にも思わんのかっ」
リカが言う
「…彼らの、プレー。我は…」


試合は進んでいた

セインへと渡ったボール
「これで終わりだ!下界に叩き落としてくれるっ」

「ヘヴンドライブ!」
セインがシュートを放つ
「私に任せろっ!!」
エドガーが走り出す

「待って!ダメ、エドガーっ!!!」
エドガーを起こす事の察しがついた舞衣香が叫ぶ
「…だめっ」


「あれを打ち返す気かっ?!」
「ダメやっ!エドガー、そんな事したらアンタの足がっ!!」
フィディオ、リカが叫ぶ

「レディのために潰れるならこの足も本望っ!!」


「ダメぇえ!エドガー!やめぇぇええ!!」

「エクスカリバー!!!!!」
エドガーの表情が歪む

打ち返されたボールをそのまま天界の使徒、ゴールへ突き刺さった



それと同時に試合終了
「勝った…んだ」
舞衣香が一息つきながら言う
「やった!!」

喜びは束の間
エドガーを膝を折る

「エドガー!」
リカが駆け寄る
「大丈夫か?足、折れてへんかっ?」
「えぇ」

皆とその言葉で安心を覚えると同時に響いた声
「何をしてるんですかっ!あんなプレーして!!」
リカに続くように走ってきたつらら
「つららちゃん」
「つらら」
吹雪、円堂、そして皆がつららを見た
先ほどまでの色のない瞳ではない
普段通りの温かで優しげな色をしていた

「とにかく、手当するからっ」
つららをそう言いエドガーの足へ触れた

「元に戻ったんか?」
リカがつららを見る
「…ごめんなさい。もう、大丈夫だから」




「何故だ。何故、力では圧倒的に上回っていたはずなのに」
セインが愕然と言う
「何故?そんなん決まっとんやろっ!アンタ等何も分かっとらん!!」
「サッカーは、ただの手段なんかではないです」
リカ、つららが言う
「魂と魂のぶつかり合いなんや!」
「どっちが下だとか上だとか関係ない。本気と本気がぶつかって思いっきり楽しんだ奴が勝ちなんだ」
舞衣香が笑い言う


セインの中で何かが変わった
「サッカーは魂と魂のぶつかり合い。我らの先祖はその熱き魂で魔王を封じたのだ」

「あの壁画ってやっぱそういう意味だったのね」
そう言い歩いてきたのはかがり
「勝手に見させてもらったわ。所々欠けてたし、どこかで言い伝えが紛っていても不思議じゃないわ」

「それ見に行ってたの?」
「えぇ。面白かったわ」


「残るは、そらと春奈…」
「俺たちは行くぞ!デモンズゲート!」






「通りゃんせ 通りゃんせ………」

1人の少女が唄っていた