二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.288 )
日時: 2013/03/20 15:04
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十一話「デモンズゲート」

「…待って」
不意に聞こえた声に立ち止り振り返る
「どうした」
鬼道が聞く
「…誰かいます」
声を上げたのはゆうりだ
「誰かって…?!」
風丸が目を見開く

目の前に広がる水色
「あれ…一郎太?」
小さな声が答えた

「そらっ!無事だったんだな」
風丸が寄ろうとする
「ごめんね。まだ、帰れないの…。私はまだ、戻れない。来てくれてありがとう」
そらは言う

「何を言ってるの?」
菜乃香が言う



「みんなも、来てくれてありがとう。ねぇ、この先に進むなら…勝ってね
 そうすれば、きっと上手くいくから」
そらはそう言い残し不意に吹いた風に飛ばされたかのようにその場から消えていた





進み出た場所
響く声

「お兄ちゃん!!」
「っ!春奈っ!!」
春奈の声に鬼道が答える
「助けて、お兄ちゃん!!」
春奈は繋がれているらしく身動きが出来る状態ではなかった
鬼道が駆け寄ろうとすると声が響いた

「儀式を妨げようとする者よ。恐怖と破滅を…!」

その言葉と共に現れた者たち

「ここはすでに魔界。人間風情がよくここまでこれたもんだぜ」
春奈を攫った張本人が言う
「魔界?」
「お前は何者だ!」

「俺は魔界の戦士、ゼスタ。そして、俺たちが魔界軍団Zだ!」

「春奈を返せっ!」
「それはできない。此奴は大事な生贄だからな」
「生贄だとっ」

「地の底に眠る魔王。伝承の鍵に選ばれた乙女の魂を喰らい、千年祭に日に蘇る」
「我らが魔王が蘇れば世界は破滅の炎に包まれ文明は滅ぶ」
「貴女はその生贄になれるの。嬉しいでしょう?」

「その手を離せ!魔王は魔界も関係ない!春奈を傷つける奴は俺が許さない」
鬼道が叫ぶ
「あら…やる気?」
「大事な生贄を簡単に返すと思うのか」
ゼスタが言う
「なら力尽くで取り返すまで!!」


突如、暗闇に響く唄
「通りゃんせ 通りゃんせ………」

その声を聞き全員がその方向を見る

「ここはどこの 細通じゃ
 魔王様の 細道じゃ ちっと通して 
 下しゃんせ 御用のないもの 通しゃせぬ
 この子の七つの お祝いに お札を納めに 参ります
 行きはよいよい 帰りはこわい こわいながらも
 通りゃんせ 通りゃんせ」

黒に身を包んだそらが紡ぎ唄う

ゆっくりと開かれた瞳には光はない

「何のつもりかは知りませんが、儀式を行うに至り生贄は絶対条件。連れて帰るというのならば
 我が魔界の戦士。魔界軍団Zを倒してお行きなさい」

「そら…」
「そらちゃん?」

「女神!…ま、そういうことだ。人間」

「魔界の民と人間の戦いか。面白い」


嘲うかのような声

「これより古の言い伝え通り、サッカーで決着をつけようぞ」