二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.293 )
日時: 2013/12/13 20:47
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十四話「天魔」

試合が始まり、ダークエンジェルの速攻だった
「恐怖しろ!」
「そして、魂へ還るがいい!」

「「シャドウ・レイ!!」」
ゼスタとセインの必殺技
「イジゲン・ザ・ハンド!…っ!!」
シュートはゴールに突き刺さる

「先制点、とられたなぁ」
かがりが呟く
「はやい。さっきよりも」
周りが声が上げ始める
「いいぞ。その顔…もっと恐怖しろ。もっと、もっと…!」
ゼスタの嘲う声

「恐怖しろって、無理な話を」
「何ぼーっとしてんだ、お前らっ!!!」
かがりの言葉をかき消すように不動の声が響く
「取られたら取り返す。それがサッカーってもんだろ!」
不動が言う
「…不動に言われたら終わりだよ。アンタら。ごちゃごちゃ言う暇あったら
 点、取りに行こうか?」
かがりが言う
「不動、かがり」
頷き言う
「そうだ、みんな!反撃だっ!!」


鬼道と不動が持ち込むも奪われる
「キラーフィールズが、破られた」
舞衣香が言う
「また向こうのボールに…」
ゆうりが心配そうに言う
「大丈夫。まだはじまったばかりだから」
そらが言う


ボールを奪い豪炎寺と吹雪がシュートを打つ
「「クロスファイア改!!」

「ジ・エンドV2」
止められてしまう


「…はぁ。あたし、本来DFじゃないんだけど」
呟きかがりが前を見据える

「「シャドウ・レイ!!」」

試合前に結びなおしたポニーテールが風に揺れる

「やるしかないよなぁ」
かがりが走る

「翼風斬羽!」
勢いよく吹く風、そして舞う黒き羽
「あたし、基本オールマイティだから」
“にやり”と笑みを浮かべてかがりが言う
ゼスタとセインが放ったシュートはかがりにより止められてしまう


「かがり!ナイスっ!」
円堂が言う
だが、かがりのすぐに笑みを消した
「(こいつらの実力は確か…点をとるのは簡単じゃない)」

猛然一方

相手に攻撃に対し守備に力を使い体力が無駄に消費されられている

「(不味い…。体力が、どうにか前に繋げないと)」
かがりは不動を見る
「あ゛…」
2人は目を合わせ頷く

「まずいですよ。俺たちも戻って守りましょう」
虎丸が言う
「よし」
豪炎寺が頷くが
「来るんじゃねぇっ!」
不動が怒涛が響く
「どうしてです?!こういう時こそみんなで協力して守備をっ」
「お前たちは黙って前線にいやがれっ!」
「邪魔なのよ。アンタたちが来ることでまたバランスが崩れるっ」
不動に続きかがりが言う

FW3人の方へ鬼道が行く
「不動とかがりの言う通りにしよう」
「鬼道さんまでどうしてっ!」
「…わかった」
「後ろは任せた」
虎丸の反論は空しく、豪炎寺とヒロトが前線へと戻る
「豪炎寺さん、ヒロトさんまで。もう、知りませんよっ」
虎丸も後に続き前線へ行く



ゴールこそ決まっていないが実力差は明らかだった
「もう限界です。俺たちも戻って!」
「ダメだ。今は耐えろ」
虎丸に豪炎寺が言う


「行くぞ」
ゼスタがセインに言う
「また2人でシャドウ・レイか?」
「1人で来たらどう?それともあたしが怖いの?」
不動、かがりが言う
「息切れしているお前たちなど怖くない」
ゼスタが不動にチャージを与える
「こんなものか。セイン」

僅かだが、かがりと不動の目が合う

ゼスタがセインにパスと出すと同時に2人が動く

「ナイスパスだ…」
パスを不動がカット
そして同じタイミングで動き出していたかがりにパス
「豪炎寺」
パスがつながる

「虎丸、ヒロト!」

「「「グランドファイアG2!」」」
3人のシュートが放たれる
「ジ・エンドV2」

ゴールネットが揺れる
「はい、どーてん」
目の前にいるゼスタとセインに向かってかがりが嘲笑うように言う


同点で前半終了

「不動さんとかがりさんは初めからこれを狙って…」
「あぁ。俺たちが守備をして疲労すればあのキーパーから点は取れない」
「そういう事だったんですね。口で言ってくれれば」
「行動で示す。それが、不動明王だ」
ヒロトが言う
「はい。俺、誤ってきます」
虎丸が不動の元へと行く
「…ねぇ、あたしは?」
一連の会話を聞いていたかがりが言う
「え?かがりさんも、だよね」
ヒロトが慌てて言う
「まぁ、いいや。でも、どうする。後半はこうはいかない。今のパターンは使えない」
かがりがはっきりと言う

「無敵の力を手に入れた俺たちが失点など」
ゼスタが吐き捨てるように言う

「1人1人の力が強いから勝つんじゃない。全員の力と、思いが1つになるから勝つんだ!
 だからサッカーは面白いんだ!!」
円堂が言う

「面白い?我らのサッカーに面白さなどいらない。これは儀式
 憎い相手を叩き潰すための手段にすぎないのだ」
セインが言う

「お前たちをぶっ潰す。魂も残らないほどにな」



「…魂、残らなかったら生贄にはならないね」
そらが言う
「かがりが言った通り。何も見いだせてない…。何のために、今ボールを追いかけているの」



後半開始



後半が始まってダークエンジェルがとった行動は相手を痛めつけること

「力じゃ、何も解決できないと思うけど」
かがりは言う
だが、それを聞く相手ではない

FW3人も守備に回るがそれでも戦況は変わらない

「我らには向かった結果がこれだ」
高らかに笑う声が木霊する

「バッカじゃないの」
かがりの声に反応し振り返る
先ほど、倒れたはずのかがりは立ち上がっていた
「アンタたちの目的もとか、魔王とか、どうでもいいや」
静かに髮を解き言う
「ただ、許せないから。本気で、勝ちに行く…」
スッと細められた瞳から絶対零度の恐ろしさを感じる

そして円堂が立ち上がる
「…違う…!お前たちのやっているのは…本当のサッカーじゃ…ないんだ!!」

「我らを認めんというのか」
「ならばとどめを刺してやろう。お前らのサッカーもろともっ」

かがりに感じだ恐ろしさ、恐怖を拭うかの様に叫ぶ
「「シャドウ・レイ!!」」

「まぁ、止めなよ。あたしが点、決めるから…!」

「真 イジゲン・ザ・ハンド!!!」
ボールは円堂の腕の中にあった

「な、受け止めただとっ」


「仲間の思いに応える!それもサッカーだ!!」
円堂は言い、ボールはフィディオに渡る
「オーディンソード」
「「「グランドファイアG2」」」
シュートチェイン

「ジ・エンドV3!!」
だが、破られる

ゴールまで戻って来ていたゼスタとセインが蹴りかえす

だが、ボールが飛んだ先には彼女がいた

「パス、ご苦労様…」
かがりが笑みを浮かべる

ダークエンジェルに戦慄が走る


「エンジェル・ノウズ!!!」

かがりの放ったシュートはそのままゴールへ突き刺さる

「決着、ついたわね」
試合終了


「馬鹿な。“ダークエンジェル”が…魔王が負けただと…?!」
ゼスタが愕然と言う
「身体に満ちていた悪魔の力が消えてゆく」
「元に戻ったんだな!」
円堂が言う

セインは言う
「ゼスタ。使命によりお前たちを封印する」
「待った」

「サッカーは使命とかそういうんじゃない、もっと楽しくやるもんだぜ!」
円堂が言う
「お前、何を」
セインが驚く

「今回は失敗したが、次の千年後は我ら魔界の民が天界を侵略する」

そう言い残し魔界軍団Zは姿を消す

「お前が止めなければ、奴らを永遠に封じ込めることが…!」
セインが言いかけて止まる

「そうか…そうだったのか…。今分かった。私の中にある“憎しみの心”
 …そのせいで私は悪魔につけ込まれたんだ。我ら天界と魔界の者とが合体したチームが
 魔王そのものだとするなら、魔王とは、我々の中にある醜く争う心だと言うことになる。
 伝説にあったような魔王はいないのだ。魔王は、自分の中にあったのだから
 先祖は“魂と魂のぶつかり合うことの大切さ”それを伝えるためだけにサッカーを選んだのだな
 自分自身の醜い心を抑えるための“修行”として、サッカーを選んだのだ」


セインが言う

「“修行”かどうかは分からないけど…楽しいモノだぜ、サッカーは!」





「なかなか。かがりも熱くなってたわね」
そらがちゃかす様に言う
「負けは嫌いだから」
かがりは言う

「とにかく、次は決勝メーナメント。決勝に進んだら」
「えぇ。きっとあいつがいる…ま、なるようになるって」