二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

--プロローグ-- ( No.1 )
日時: 2011/10/16 16:00
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: お菓子の袋開けたら中身が飛び散りました。ポップコーンェ……




 逃げ惑う人々。
前は平穏だっただろうその町は、炎の渦に巻かれ、焼け焦げていた。


 町同士を隔てている川の辺。一人残された少女は、鼻をつく黒煙に顔をしかめ、徐々に消えていく町を眺めていた。
少女には、まるで火が踊っているかのように見えた。その光景は、しっかりと少女の記憶にも刻まれた。


「…………」


 やがて砂利を踏む足音が聞こえ、少女は驚いて振り向いた。
体にきつく巻き付けられたマント。それは自身が旅人である事を教えていた。

 旅人は少女に向かって言った。


「……禍々しい魔の炎は、心を醜くする。早く離れなさい」


 旅人は厚い手袋をした手を、少女に差し出した。


「でも、」

「早くおし」






 私はただ、夢を見ていただけなのに