PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ娘 * コメント待ってます ( No.13 )
- 日時: 2011/12/11 14:38
- 名前: こたろう。 (ID: GsncfwNf)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第8話 フコウナオトコノヒト?
「ひっめ…。どこに行くんですかっ…。」
ハアハアと肩で息をしながらネルは街を歩いた。
酒場や高貴な服を身にまとった人、走る馬車。
街はよくゲームの中で出てきそうな
西洋の雰囲気をかもしだしている。
「ネル、遅いわよ。」
「姫…どこに行くんですかっ…。」
「あのパン屋よ。焼き立てを食べるには
私が行く他ないでしょう。」
リンは人ごみの中ヒールをたてて疲れた様子もなく
歩いていた。そして遠くにある可愛らしい小さなお店を
指さすと、入っていった。ネルは慌てて後を追ったのだが。
*
「ありがとうございましたー!」
こおばしいパンの香りを楽しみながら、上機嫌で
リンは店からでた。抱えているバゲットからは大きなフランスパン
がはみでている。
「やっぱりここのパン屋よね、さっさと帰るわよ、ネル!」
「えっあっ…はいっ」
サイフを急いでしまってネルはリンの後を追った。
よほどにパンが食べたいのか行きより速い足取りで帰るリン。
そのリンに追いつけず、ネルはやがてリンを見失ってしまった。
*
リンは軽やかに走っていた。
無論。パンが速く食べたいからである。
コートのフードが取れようと気にしてはいられない。
顔をあらわにしたまま走っていた。
走る、走る、走る。一定のステップで走る。
走って、走って、ある一時。ゴンっとリンに何かがぶつかった。
「っ!?」
ぽてん、とリンが後ろにしりもちをついた。
途端に不機嫌な顔になると、下を向いたままはぁ、と息を吐いた。
「大丈夫ですか?」
男の人の声が聞こえてきた。
誰だろうか。誰にしても不幸であることには変わりない。
国の王女様(しかも上機嫌)にぶつかってしまったのだから。
「…あなた…。誰に向かってそんなくちー。」
ばっと上を睨みつけるとー。
そこには見慣れない男の人が立っていた。
PR