二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.4 )
- 日時: 2011/10/18 17:12
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
序章 なんやかんやで再スタート!!
新八は走っていた。
どこまでもどこまでも走っていた。
道行く人々が何か変わってるし。もうおかしいし。
新八は河原まで来て、ようやく足を止めた。
「おかしいでしょぉおおお?! あの、あの翔さんがイボ如きで死ぬなんて……!」
「それは紛れもない事実だよ」
知っている声が聞こえて、新八はハッと顔を上げた。
この飄々とした声。そうだ。紛れもなく、あの我流忍術を得意とするあの青年——。
「空華さん?! って、えぇええ?!」
そこにいたのは、空華だった。だけど空華じゃなかった。
立っていたのは真選組の制服を着た、空華だった。
「な、何で真選組なんかに——!!」
「成り行きで? スカイも真選組に所属してるよ。それより新八君。皇帝がお呼びだよ」
「ハイ? 皇帝?」
新八は首を傾げた。
皇帝とは誰の事だろうか。そして何故、自分は真選組の制服を着てるのだろうか?
空華は満足そうにうなずくと、新八の腕を引っ張った。
「さぁ行こう! 新たな真選組帝国へ!」
「何ですかそれぇぇええ?!」
***** ***** *****
真選組帝国——。
玉座に座っていたのは、まさかの沖田だった。
「ソーゴ・ドS・オキタ三世に敬礼ぃぃぃい!!」
「えぇぇえ?!」
新八のシャウト。
だが、沖田はそんな事も気にせず、話を続ける。
「この真選組帝国を築き上げて早2年——。将軍を血祭りに上げ、我が真選組帝国の御旗を立てるのも、そう遠くはないだろう」
「お前攘夷志士かよ?!」
沖田は続ける。
「歌舞伎町きっての猛将、坂田銀時の縁者を人質として取った。そしてあの伝説の勇者、東翔が残した縁者でもある」
「ちょ、銀さんが何故そこまで有名に?! おい、バカイザー話を聞け!!」
ピタリと沖田の動きが止まる。じろりと新八を睨みつけて、そして言った。
「おい、バカイザーはないだろう。合わせ技は止めろ腹立つ。おい、王良。そいつを牢屋にブチ込んでおけ」
「ハイ。バカイザー」
「何プチ流行してんの? スカイ。そいつを殺せ」
「ハイ。バカイザー」
「分かった。明日からバカイザーに改名する。ただし『バ』の音は聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言え」
新八は空華とスカイに連れられて外へ出た。
両手に手錠。そして2人はかなりの実力者。簡単には逃げられない。
だが、その時。
「まったく大変だよねー。俺様達も」
「そうだな。大変だ」
ガチャリ、と新八の手錠が外れる。
空華が針金を使って外したのだ。流石忍者である。
「俺様も新八君と同じさね。スカイもさ。2年前に取り残された奴らだよ」
詳しく話を聞くと、このイボが流行し始めたら、もう2年後になっているという設定らしい。
幸いにも、空華とスカイにはそのイボがつかなかったとか。新八もその1人らしい。
「実際、翔は死んでない。どこにいるのかが分からなくなってるだけだ」
「え、じゃあ銅像とか。ほら、あれ!!」
公園に来て、新八は目の前に建っている銅像を指す。
身の丈を超える鎌を担ぎ、炎を辺りに漂わせて目線の先を睨みつけている少年——東翔の姿だ。
「あぁ、あれね。うん。あれもイボから出来た」
「翔は勝手に殺されちゃった設定になってるらしいね。うーん。どうしたものか」
かくりと首を傾げるスカイ。そしてポン、と手を叩いた。
「もういっそ、世界を滅ぼしちゃえば!!」
「何を言ってるんですか、この馬鹿は!!」
新八は思わずツッコンだ。
だけど、空華とスカイはポンと新八の肩を叩く。
「仕方ないんだよ。今、世界を救えるのは俺様達しかいない。見てみろ。雫も変になったし怜悟とは連絡が取れない。燐菜ちゃんもどこに行ったんだか分からない。これでどう救えると?」
「分かったかい、新八。世界を救おうぜ」
2人は真面目に言っていた。
新八は2人の顔を交互に見やり、そして小さくうなずいた。