二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.17 )
- 日時: 2011/12/15 17:46
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第2章 レズとか剣とか男の娘とか
雨の日だった。
その日はシトシトと雨が降っていた。
当然、翔達万事屋軍団は、万事屋の中でのんびりしていた。
「おい、翔。いいのか?」
唐突に政宗が訊いてきた。
吉継と囲碁の対決をしていた翔は、政宗の方を見向きもせず「何?」と返事を返す。
「お妙、泣いてたぞ」
「知るか」
翔は黒石を碁盤の上に置く。
吉継は「うーむ」と唸り声を上げたが、やがてふよふよと白石が浮かび上がり碁盤に置かれる。両者五分五分の対決だった。
万事屋に新八の姿は見当たらない。
大方、お妙を助けに行ったのだろう。
「何で俺が助けに行く必要があるんだよ。あいつが決めた道だろう?」
「それはそうかもしれませぬ」
幸村が会話に割り込んできた。
「ですが、お妙殿は泣いていたでござる。神楽殿から聞いた事がある。結婚というものは笑っていられるのは最初の時だけ。山道もある。だけど最期は笑って死ねたらそれは上々の人生だと——」
パチリ。
翔が黒石を碁盤に叩きつける。それが静寂を呼んだ。
「——お妙殿は、笑って逝けるのでござろうか」
辺りがシンとなる中で、翔は大きな欠伸をした。
窓を見てみると、まだ雨は降っている。だがそれも、少しずつ止んできた。
「……ハァ、もう」
ガシガシと頭を掻くと、翔は立ちあがった。壁に立てかけてあった炎神を背負い、再度大きな欠伸をかます。
「おーい、魔王の息子ー。元気してるかー」
「魔王の息子言うな!! テメェ、人の名前を覚える気はあるのか?!」
尻尾をバタバタと振りつつ、燐が叫ぶ。
翔はそんな燐をはたくと、窓に足をかけた。まだ雨が降っているが、問題はない。自分は死神だ。風は引かない。
「死神って感情に動かされてはいけないのではなかったのですか?」
外に出ようとする翔に、雪男が声をかける。
翔はため息をつくと、それに答えた。
「確かに、死神は感情を持っちゃいけねぇ。人を送れなくなる。だけど——死神って言うのは案外義理堅い奴なんだぜ?」
覚えておけよ、と言い残し、翔は雨の中に消えた。
***** ***** *****
銀時達は決戦の準備をしていた。
柳生の者たちと戦うのだ。その為の作戦会議である。
今いるメンバーは、新八と神楽、近藤、土方、沖田の5人である。
「ったくよー。翔がいれば簡単にぶっ飛ばせたのに。何だよあの死神、『俺はいかねぇ面倒くさい』とか言いやがって」
「銀ちゃん、翔なら来るアル。そう言ってたネ」
「ハァ? お前、携帯でも持ってるのか?」
「違うヨ」
神楽は塀の方を指した。
その上に乗っていたのは、黒い死神の姿——。
「言ってたネ」
「嘘だろ、おい?!」
「行けって言われたから来ましたが、何か?」
翔はドヤ顔で塀から下りる。
「何すればいいの?」
「皿を全員分割れば終了だ」
「へー。面倒なこって。頑張れ」
「お前も協力しろよ」
「何で?」
「姉御がどうなってもいいアルか?」
「シノがなくかもしれないし、それは困るけど。自分達が招いた戦いだからそれはテメェらが引き受けろ。俺は俺でやるさ」
翔は鎌を抜き、肩に担いだ。
嫌な予感が彼を貫く——。