二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.22 )
日時: 2012/02/22 16:33
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第2章 レズとか剣とか男の娘とか


 翔はスカイと戦っている。その様子を見に来た我流忍術・王良空華は塀から中の様子を見て眉をひそめた。
 彼は実際、呼び出しをくらったのだ。
 政宗から。

「……ねぇ、何で俺様が呼び出しをくらわなきゃいけない訳? 翔達が戦ってんだからそれでいいんじゃないの?」

「そうともいかねぇ。お妙が泣いてやがった。だからその為に戦ってるのに——俺らは何もできやしねぇ。Shit」

「……何か、ね。確かに、武将と魔神の息子とかエクソシストにはこの戦、どうともならないわな。人を傷つけて人が笑顔になれるのなら、俺様だってこのご時世廃刀令を無視して頑張ってるもん」

 塀の上に座り、政宗達と燐達を見下ろす空華。どこかその瞳はさびしげだ。
 空華はため息をつくと同時に、苦無を懐から抜き放った。そして飛んできた木刀を弾き返す。

「そら。出番だぜ、馬鹿ども! 思いっきり暴れてやれ!!」

 空華はそう言うと、塀を越え柳生家の中へ姿を消した。
 全員は顔を見合わせると、塀を越える。
 何かを守る為に、その大きな壁を。

***** ***** *****

 翔は苦戦していた。
 相手は最終兵器と言われ恐れられたスカイ・エルクラシス。一筋縄ではいかないのは百も承知している。
 だが、炎の死神にとっては相手ではない。

「地獄業火、獄炎乱舞!!」

 迷わず業火を放つ。一応翔なりに配慮して、建物が炎上しないようにしている。
 スカイは紙一重でその攻撃をよけると、手刀を翔へ放った。斬撃が翔の髪を数本散らす。

「チッ。やるじゃねぇか!」

 翔は舌打ちと共に賞賛すると、炎神を大上段から振り上げた。太陽に照らされて、その刃は怪しく輝く。
 空を切って振り下ろされた刃を、スカイは素手で受け止めた。それだけでギィンという鋭い音が響き渡り、鎌が止まる。
 両者、互いに譲り合う気はない。
 そこにあるのはただ「戦いたい」という心のみ。

「ハァァァア!」

 スカイは気合で翔の鎌を弾くと、足に棒の性質を乗せる。そして屋根に手をついて、翔に向かって回し蹴りを放った。
 翔はそれを跳躍してよける。17、18歳ぐらいの少年の矮躯が空へ踊り、髪が宙を舞う。茶色の瞳が無防備なスカイの姿をとらえるのに、1秒とかからなかった。
 手に持った炎神が赤く輝く。炎が吹き出る。

「終わりだ。地獄業火——!」

 先ほどの技だと、スカイは悟った。だから防御に徹することにした。
 炎が乱れる前に両手で顔を覆い、熱をシャットダウン。——だがしかし、彼の行動は徒労に終わる。

 炎の花が咲いていた。

 スカイを囲むようにして咲く赤い花。それが炎でできていると分かるのに、数秒要した。
 ハッと彼は翔の方を見上げる。
 彼は宙に浮いていた。その足で、宙を踏みしめていた。
 スカイは重要な事を忘れていた。——東翔は死神。しかも最強で、地球を一瞬にして焦土とかせるほどの力を有する炎の死神である事を!

「華炎円舞!!」

 花が散る。すると、どこからともなく風が吹き、彼の周りに花弁が舞いあがる。

「どぁぁぁぁぁぁああああ!」

「死にはしねぇ」

 花弁の向こうから、翔は言う。

「死神は、簡単に人を殺さねぇさ」

 スカイが倒れるのと同時に——

 銀時と新八が九衛兵と決着がつけ終わった。