二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.24 )
- 日時: 2012/03/19 15:58
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第3章 幽霊は本当には出ないから安心して
万事屋一行は、お登勢さんの紹介で温泉に来ていた。
何だか山奥にまで来たけど、これは一体大丈夫か? 大丈夫だろうかえぇ?
「山奥にまで来たけど、大丈夫な訳これ?」
佐助はオレンジ色の頭を掻きながら問いかけた。
さぁな、と銀時はいつもの調子で返す。
一方、船は平気じゃない癖にバスは平気な住み込み従業員兼炎の死神である本作主人公東翔君は、
「ひゃはははは! おらおらおらよけれるものならよけてみろ馬鹿ぁぁぁあ!」
「貴様、秀吉様……私にこの者を懺滅する許可を!」
「ハッハッハッハ。翔は無邪気だな」
三成と家康に雪玉を投げ当てていた。
それを放っておく事にした一行は、さっさと宿へと急ぐ。
「あ、あれ従業員じゃねぇの?」
燐は雪道の奥を指す。
雪と同色の着物を着た女性が、ボーと立っていた。雪男が声をかける。
「すみません、僕達江戸から来たんですけど」
だが女性は振り向きもしなかった。
それどころか、
「なぁおいあいつ面白いな」
雪合戦を終えた翔が、雪男の隣に並びケタケタと笑う。
「あの女、足跡ついてねぇ」
サァとみんなの顔が青ざめる。
「おおおい、まさかこれって『お』で始まって『け』で終わるものとちゃいますか?! やばいで、坊お経を唱えなあかん!」
志摩が騒ぎ出す。
が、勝呂はいきなりの事で思考停止していた。
「なぁ、あれってぶっ飛ばした方がいいのよくないの?」
「うーん……とりあえず止めておいたら?」
しえみは何が何だか分かっていないらしく、翔の質問に笑顔で返した。
一行は見えてきた廃屋の中に入る。
迎えてくれたのは、ババアと変な幽霊だった。
「旅館の女将、お岩ですー。よろしくー」
……何で変な幽霊が後ろについてるの?
「ねぇ何であのババアは後ろに半透明のお子さんを連れているのかな? 見間違いかな?」
「Crazyな事を言うなよ、銀時。何も見ちゃいねぇぞ俺ぁ」
「政宗殿。現実を見るでござる後ろに半透明な赤子を連れているでござるよ」
「旦那、笑顔でそう言うのを言うのは止めようか?」
「なぁあれってわざとかな。祓ってきてもいいのかな?」
給料にはなんねぇから働きたくないんだけど、とこそこそ話に入ってくる翔(死神)
全員で翔を凝視すると、
「「「「「頼むからこの現実から目を覚まさせてくれ!!」」」」」
と懇願した。まさかの燐まで。
翔は首を傾げると、
「勝呂はお坊さんの息子じゃなかったか?」
「無理や、いきなりすぎてまず無理や!」
勝呂は顔を真っ青にして否定する。いざとなればできそうだが、今は少しテンパっていて無理だろう。
武将達もダメとなると、やはり翔が幽霊を狩る必要がある。
「どうして俺がやらなきゃいけねぇんだろうか……?」
面倒くせーな、と翔は炎神を取り出した瞬間、神楽としえみと孫市とお市と鶴姫とお妙が旅館の中に入って行くではないか。
全員は黙り込んだ。
翔はぼそりとつぶやいた。
「……旅館、燃やしてもいいか?」
「「「「「ダメに決まってるだろ!!」」」」」
***** ***** *****
とりあえず部屋割で翔と銀時と新八が一緒の部屋で寝る事になった。
翔は壁に炎神を立てかけつつ、
「どうしてこの旅館は幽霊が多いんだ? 俺に仕事をやらせたいのか?」
などと文句垂れていた。
一方の銀時と新八はそれどころではなかった。帰りたいの一心である。
「しょ、翔さん。本当に何とかしてくれるんですよね?」
「するよ。このままいても居心地悪い。さっさと審判して天国なり地獄なりに送った方がいいさ」
まぁ、今は面倒だからあとでなーと翔は言って、壁に背を預けて寝始める。
この状況でよく寝れるな、と突っ込んだ新八。
何故か? 天井から首をつった子供の幽霊がいるからだ。
「もう我慢できないぃぃいいい!」
最初に和式か洋式かを選ばされ、真っ先に和式を選んだ銀時達である。男達は大体和式だ。
銀時と新八は部屋を飛び出すと、向かいである孫市達の部屋に飛び込んだ。
「すまん部屋を変えてもらえないか?」
「一体どうした急に」
孫市は怪訝そうな顔で訊いてくる。
孫市達の部屋には幽霊はいない。よかった、これで変えてもらったらどうだろうか。
「いや、俺らの部屋さ。出たんだよ」
「出たって何がだ。Gか」
「いやそっちならまだよかったんですけどね……って、銀さん」
洋式を選んだ孫市達。閉じられた窓の向こうには、首をつったタキシード服のおじさんの幽霊が。
「出たぁぁぁぁ! 洋式ってこっちかよぉぉぉぉおおおお!」
銀時達は絶叫した。孫市達は何が何だか分からずにいた。