二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.25 )
日時: 2012/04/28 22:08
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第3章 幽霊は本当に出ないから安心して


 さて、万事屋一行は温泉に来たんですけど。これがまぁ、幽霊がたくさんいる場所だった訳ですわ。
 それで、俺らは幽霊を退治しようと今は温泉宿で奮闘しているんだけどね?
 あはは。これが楽じゃないんだわ——

————っていう話だ。どうだ?」

『0点でいい?』

「今度地獄を見せてやる」

『うわ、ごめんごめん。でも確実に0点だよ。だってつまらないもん』

 翔は昴の携帯に電話をかけていた。それを切り、温泉の方を覗く。
 湯船には武将たちとエクソシストの諸君、そして銀時と新八がいる。どいつもこいつも青い顔をしている。
 どうしてかって言うと、彼らの周りには湯気みたいな幽霊がたくさんいたからだ。

「あははは。変わった幽霊だなぁ」

 家康はいたって普通な態度で幽霊を指して笑っていた。三成も感じない様子。
 官衛兵は長い前髪で覆われた顔を青ざめさせていた。もちろんエクソシスト諸君も。お前ら幽霊に慣れているだろ。
 政宗も幸村も小十郎も佐助も元親も元就も全員して顔を青ざめさせていた。

「諸君、湯船は冷たいのかい?」

「い、いやぁ……どうしてこんな変な幽霊がいるのかなぁなんてね?」

 銀時は青ざめた顔のまま翔を見上げた。
 彼は死神。ここで幽霊を狩ってもらえれば一件落着なのだが。

「翔さぁん? 早くこいつらをどうにかしてくれませんかねぇ?」

「いやぁ、未練があるようだし。俺には無理かな? テヘペロ」

 ペロリと舌を出して笑う翔。この野郎。
 銀時は軽く翔に対して殺意を覚えたが、理性で我慢した。そして新八を幽霊方へ押しつける。

「おら、吸え!」

「な、何をする——」

 新八は幽霊を吸い込んでしまった。
 翔はハッとした様子で銀時を見る。

「テメェ銀時! 新八に幽霊を憑依させてどうするんだ!」

「ひょ、憑依? 何それ」

「幽霊を憑かせてどうするんだと言っているんだ。テメェが吸えよ馬鹿!」

 銀時に飛び蹴りを食らわした翔は、ハッと気付いた。

「お、おい? 子猫丸? 志摩? どうしてお前らそんな表情をしているんだ?」

「え。翔さん、何の事ですか?」

 子猫丸はまさかのデーモンみたいな表情をしていた。もちろん志摩も新八もそうである。さらには官衛兵も。
 翔は頭を抱えた。どうしてこうなった。

「幽霊を憑依するとこんな悪魔みたいな表情になるんだな! 俺もやってみようかな!」

 慶次はわくわくしたような笑顔で言うが、そこへ翔の炎神の鎌が突きつけられる。

「お前の場合は生き返らせないで殺してやるよ」

「ごめん。許して」

 幽霊を憑依させてしまったのは結構面倒である。翔は舌打ちをした。
 炎神でとりあえず幽霊をはぎ落そうと思ったのだが、何か寒気がした。怪訝そうな顔で辺りを見回してみる。
 しかし、翔の視界に映るものはなにもいない。

「……おかしいな」

「どうしたんスか、翔さん?」

 閣下と化した新八が訊いてくる。
 翔は思わず笑いそうになったが、何とかこらえた。

「いや? 全然何でもないぞ。テメェ、もうそろそろ上がったらどうだ? のぼせるぞ?」

「そうッスねー。あー、だるい」

「おい、何かやばいもんまで成長してないか? あれも幽霊の仕業か?」

 新八の股間を指して燐は言う。
 そこにあったのは巨大な『ピ————』である。

「「「「「うぎゃぁぁぁぁあああ?! 汚ぇぇぇぇええ!」」」」」

 急いで湯船から出た一行は、浴衣に着替えて脱衣所を出る。
 しかし、そこで待っていたのは閣下と化した仲間の姿だった。

「ワハハハハ。我輩の肌はすべすべじゃぁぁぁぁあ!」

「我輩の方がすべすべじゃぁぁぁぁああ」

「何おう? 我輩の方が1番すべすべしておるわぁぁぁああ!」

「「「「「うわぁぁあ全員閣下と化している!!」」」」」

「うわ、全員デーモンになっている」

 悲鳴を上げる一行。翔は面倒くさそうな顔をする。
 燐はしえみに飛びついて、ガクガクと前後に揺らした。

「しえみ! お前!」

「何をしておるのだ燐。その手を離せぇぇぇぇえ」

 しえみは燐の手を振り払うと、閣下となった仲間へついて行った。
 唖然とする一行。そして走りだす。
 あの女将——お岩のもとへ。

「おい、ババァァァァア! 仲間をどうした!」

「皆を返すでござる!」

「そうだ! しえみを返せ! 志摩も子猫丸も!!」

 その時、壁からニュッと手が出てくる。
 全員はびくっと飛び上がった。翔はとっさに炎神を構えた。

「成仏しろ、この幽霊ども!」

 翔は壁から生えた手に向かって刃を振り上げた。
 が、その手がやった行動は拍手だった。

「ハァ?」

「はい、合格」

 闇からは、同じように拍手をしたお岩が現れた。