二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア2-銀魂×戦国BASARA3×青エク- ( No.36 )
- 日時: 2012/07/19 22:04
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
「諸君、こたつが壊れたので新たなこたつを中古で買ってきた!」
そう言って、銀時が何だか分からないこたつを差し出してきた。
布団には模様のように札が張り巡らされている。見るからに怪しすぎる。
とは言っても、現在万事屋には銀時と神楽ぐらいしかいないのだが。
「あれ? あいつらはどこ行ったんだ?」
「遊びに行ったネ。『子供は風の子いえっふー!』とか言いながら」
神楽はどてらを着て、ソファの上でごろごろしていた。
じゃあいいか。2人で堪能しようって事で、こたつをセットした——
第4章 こたつの魔術は偉大である
新八が「おはようございます」と言って、万事屋のドアを開けた。
「おう、おはようさん」
翔が歯を磨きながら、新八に挨拶をした。まだ髪の毛はセットされていないらしく、艶のある長髪を流したままにしている。ニット帽はしていない。
そして新八は気づいた。この万事屋の主の姿が見当たらない事を。
「まったく、新しいこたつで寝ているんですかね?」
「あー、いや……その、だな」
翔が言いにくそうに言葉を濁す。
しかし、新八は聞かない。どすどすと歩きながら、銀時達が寝ているこたつ部屋の襖を開いた。
スパァァァン! という気持ちのいい音がして、襖が開かれこたつにもぐり込んでごろごろしている銀時と神楽と定春の姿が見えた。
「まったく! 何をしているんですか、こたつでごろごろしないでください!」
「いいじゃねぇか、正月ぐらいごろごろさせろ馬鹿野郎」
「リアルの季節は夏だけどな。季節外れにも程がありすぎる」
翔が歯磨きをしながら言う。隣では三成が同じように寝ぼけ眼で歯磨きをしていた。
すると、ドアがいきなり——ブッ壊された。
「おっはよいーす!」
闖入者・未月燐菜が入ってきた。怪力少女であり、惑星の力を使えるド天然少女がどうしてここに?
まぁいいだろう。うん。
「新しいこたつを買ったらしいから、あやかりに来たよ」
「いや、何をあやかってどうするんだよ。つかテメェ、いつになったらドアをブッ壊さないで入って来れるんだ?」
翔は燐菜をジト目で睨む。そして歯磨き粉を出すべく、1度洗面所へと戻った。
一方の新八は、こたつにスイッチがないか探していたところ————
「な、ブラックホールだとぉぉぉぉぉおお?!」
こたつの中にブラックホールがあって、吸い込まれた。
その光景を見ていた燐菜、笑顔を崩さずこう言う。
「大丈夫?」
「だ、だいじょ、大丈夫じゃないです!」
新八は何とか畳に爪のあとをつけながらも、這い出てきた。恐怖により、半分涙でぐしゃぐしゃになっている。
三成はその光景に見慣れたのか、または興味ないのか、いつもの冷たい口調で、
「ブラックホールなど、当り前だろう。ピッコロなんちゃらを封じ込めたって言っていたし」
「どこの漫画ですか! ちょ、待ってください待ってください。抜け出せないんですけど!」
こたつから抜け出そうにも、新八は出て来れない。どうしたものか。
髪を結び、いつものようにニット帽子を装備してきた翔に助けを求める。
「翔さん、これ助けてください!」
「あーん?」
翔は面倒くさそうに頭を掻きつつ、新八の腕を引っ張った。だけどこたつからは抜け出せない。
なので、燐菜の怪力に頼る事にした。
「どっせい!」
しかし新八は抜け出せない。どうしたものか。
しばし2人が思考し————
「燃やすか。おい、三成。幸村と燐を呼べ。燃やすわ、これ」
「待ってください?! 僕どころか、銀さんと神楽ちゃんも死にませんそれ?!」
「安心しろ。多分そんな事は起きない多分」
「大事な事なので2回言いました?!」
何なのもーっ! と新八が頭を抱え始める。
翔はため息をついて、
「ま、しばらくしたら抜け出せられるかもしれねぇからな。俺は全員で買いだし行ってくるから。燐菜、行くぞ」
「合点承知の助でい! たくさん買いましょーっ!」
ま、待ってぇぇぇ! という新八の悲鳴は軽くスルーした。