二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.120 )
日時: 2011/10/25 17:31
名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: Qh0QXHw.)



     *     *     *

 ドォン、と。
 轟いた花火よりも一際大きな轟音に、長谷川を的に射的を楽しんでいた神楽と沖田はバッと振り返った。

「ば、爆発!?」
「向こうの広場だぞ!」
「テロだ! 攘夷派のテロだアァァ!!」

 聞こえてくる悲鳴。
 離れた屋台側にまで流れ込んでくる煙幕。
 それを吸ってしまいごほごほと咳き込みながら、新八はずり落ちたメガネを押し上げた。
 出口へ出口へと殺到していく人の群れ。
 その中で、神楽と沖田だけは群れの中を逆走していた。
 顔に書かれている感情はただ一つ。
 『祭の邪魔をするな』。

「帰りに買おうと思ってたチョコバナナ屋の親父逃げちまったじゃねーか! どうしてくれるアル!!」
「俺の祭プランに横槍を入れるたァいい度胸でさァ!」

 鬼の形相で駆けて行く沖田と神楽、額には怒りマーク。
 そんな二人を慌てて追いかけながら、気絶している長谷川と唖然としているエスペランサに向かって新八は言い残した。

「桔梗さんは長谷川さんと一緒に非難しておいて下さい! 神楽ちゃんは銀さんたちと一緒にちゃんと連れて帰りますから!」

 瞬く間に煙の中に消える新八の後姿。
 返事も忘れて固まったままのエスペランサ。
 色々とあってボロボロな絶賛気絶中の長谷川。

(……とりあえず、避難しちまったほうが良いんでしょうか)

 怒涛の展開に戸惑いつつも、ついでに連れて行くかと長谷川に視線を移すエスペランサ。
 高級なレースでぐるりと一周した豪華なスカートが軽やかに揺れる。
 自分よりも大きな長谷川をどう運ぼうかと思案していた、その時だった。

「——あ」

 ビリッ、と。
 身体に電流が迸ったような、そんな衝撃。
 ぐらりと傾く体。
 痺れて動かない手足。
 強制的に閉ざされていく意識の中、一瞬だけ背後に見えた人物が握っていたのは——スタンガンと呼ばれる物体に、似ている気がした。