二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.20 )
- 日時: 2011/10/19 14:20
- 名前: アニホとミシン (ID: WPbx8B95)
* * *
「おい神楽ァ、化物マジで探す気か? ぜってぇ見付からねーって」
「僕も無理だと思うんだけど……」
「うっさいアル! 文句があるなら、警察はいらないネ!」
「それ使うとこ間違えてるって!」
坂田銀時・神楽・志村新八、総じて万事屋銀ちゃん一行は、さっきのファミリーレストランから少し離れた歌舞伎町内の通りを歩いていた。
通り、というか、薄暗くじめじめとした雰囲気の漂っているそこは、路地裏と表現する方が相応しい。
化物なら暗い所に出るはずという、神楽のありきたりな意見でここら辺をウロウロとしている。
無駄に張り切っている神楽をやる気のなさそうな顔で見て、あくびをしながら銀時は言った。
「大体、俺らその化物の特徴とか知らねーだろ。
それっぽい奴がいて攻撃したらただの天人だった場合どうする?
俺ら完璧悪者だよ。次の日には牢屋の中が愛しの我が家だよ」
それに対し、神楽は「何かそれっぽい奴がいたら、顔を見られないように気絶させれば大丈夫ネ! 間違えてても捕まらないアル!」と、かなり横暴な意見。
彼女が言うと実際にやりそうで、それを聞いていた新八は苦笑いを浮かべるしかなかった。
このあたりを探し初めてもう15分になるが、それらしき生き物は全く見当たらない。
果たして、彼女の方はどうなっているのか。
新八は美しき魔法使いを頭に思い浮かべ、無言でその少女の身を案じる。
第四級魔法使い。
その肩書きが一体どれほど凄いものなのか判らないが、どれほど凄かろうとエスペランサはまだ13歳。
まだまだ子供扱いされるべき年齢なのに、異世界で化物退治なんて。
「向こうの世界って、どういう構造で成り立ってるんだろう……」
新八がそう呟いた、わずか1秒後の事だった。
この路地裏を抜けた所にある通りの方から、女性特有の尾を引くような悲鳴が聞こえてきた。
「っ、今の悲鳴……!」
「ボサッとすんな! 行くアルよ、新八!」
いち速く走り出す神楽と、それに続く銀時を見て、慌てて新八も二人を追いかける。
(今の悲鳴って、もしかして……!?)
通りから聞こえてきたそれは、自分が愛するアイドルの声に似ている気がした。