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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.57 )
- 日時: 2011/10/19 15:38
- 名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)
* * *
同時刻、屯所から上空に五十メートルほど離れたとある空中空間にて。
銀髪の二人を見下ろす影が、そこにはあった。
ショッキングピンクの髪と瞳に、腕から生えた猛禽の翼。
そんな彼女の背中に乗っているのは、メガネくらいしか特徴のない少年と、ゴシックロリータ姿の少女。
上から順にハルピュイア、志村新八、神楽の三人である。
未だエスペランサと服を交換したままの神楽は昨日からずっとゴシックロリータを着ていた。
「こっからじゃよく見えないけど、なんか仲直りしたみたいアル」
「良かったですね、ハルピュイアさん」
『……だっちゃ』
ほのぼのとした雰囲気の二人。
しかしハルピュイアだけはどこか気になるところがあるような表情をして、銀時とエスペランサを見下ろしていた。
その表情に気付いた新八が、ハルピュイアの顔を覗き込む。
「どうしたんですか? ハルピュイアさん。なんか納得いかないような顔してますけど……」
『いや、そういうわけじゃないんだっちゃ。ただ……気になる事ができただけで』
ポツリ、と、それが最大級の心配事であるかのように、ハルピュイアは呟いた。
『桔梗に対して、“あの禁句”とか言ってなければいいんだっちゃけど……』
* * *
そしてさらに同時刻。
場所は京都のとある旅館にて、その男は窓際に腰掛けていた。
右手でパイプの煙を燻らせ、その視線の先には真選組に関する記事が書かれた新聞紙。
女物の毒々しい着流し姿の彼は、その記事に掲載されている少女の写真を見て唇を吊り上げる。
そしてゆっくりと、煙を吐き出した。
「……近々、江戸に戻るのも悪かねェな」
巻かれた包帯のその奥で、瞳は得物を狙う獣のように光った。
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